2011 Fiscal Year Annual Research Report
肝内胆管癌の悪性挙動を制御する糖鎖分子の探索と新しい分子標的治療への応用
Project/Area Number |
22591530
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
有泉 俊一 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40277158)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雅一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60220498)
中山 正道 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00338980)
正田 純一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90241827)
竹内 薫 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (00192162)
|
Keywords | 肝内胆管癌 / 悪性挙動 / 糖鎖分子 / 糖転移酵素 |
Research Abstract |
癌細胞表面の糖鎖構造はその悪性挙動に深く関与する.糖転移酵素GnT-Vは,ノックアウトマウスの解析結果より,癌の増殖・転移に必須の分子であることが証明されている.高転移性癌細胞におけるGnT-Vの活性は高いことが知られており,過去に様々な癌種におけるGnT-V発現と生物学的悪性度との相関性に関して報告がなされている.昨年度に我々はpT2胆嚢癌においてGnT-V発現を免疫組織学化学にて解析した.その結果,陽性例は陰性例と比較し有意に予後不良であり,術後に遠隔臓器転移再発をきたす傾向にあることを報告した.しかしながら、肝内胆管癌におけるGnT-V発現と臨床病理学的意義に関する報告は過去にない.今回我々は肝内胆管癌におけるGnT-V発現と予後および術後再発との関連性について検討を行った.肝内胆管癌の治癒切除72例を対象とし,GnT-V発現を免疫組織学化学にて解析し,その結果を臨床病理学的因子および術後予後と比較検討した.GnT-Vの免疫組織学的発現について,陽性例は42例,陰性例は30例であった.GnT-V発現の有無と病理組織学的因子との間に有意な相関関係は認められなかった.また,肝内胆管癌ではGnT-V陽性例は陰性例と比較し術後5年生存率は高い傾向にあったが有意差を認めなかった(P=0.31)さらに,癌部におけるGnT-V発現の有無と術後再発様式との間に有意な相関は認めなかった.肝内胆管癌におけるGnT-V発現の有無に関して,術後の再発様式と生命予後との関連性は見出せなかった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト胆道癌の組織標本に関する解析はほぼ終了した.今年度はヒト胆道癌組織より樹立した細胞株の形質について解析する予定ではあったが,細胞の樹立に時間を要している.
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒト胆道癌組織より樹立した細胞株における糖転移酵素の発現レベルと腫瘍生物学的悪性度の関係について検討を行う.糖転移酵素GnT-VのsiRNAによる遺伝子改変細胞を作製し,増殖能や転移能について,in vitroあるいはin vivoの系にて解析する予定である.
|
Research Products
(5 results)