2012 Fiscal Year Annual Research Report
有限要素解析を用いた胸部大動脈瘤破断予測:ステントグラフト術後遠隔期予後への応用
Project/Area Number |
22591533
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
熊谷 紀一郎 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80396564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 拓見 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (10526453)
本吉 直孝 東北大学, 病院, 講師 (40375093)
齋木 佳克 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50372298)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 胸部大動脈瘤 / 有限要素法 / ステントグラフト / 大動脈解離 |
Research Abstract |
当教室ではCT画像から胸部大動脈瘤の有限要素モデルを構築し、有限要素解析を行い、応力を推定する方法を開発し、胸部大動脈瘤のvon Mises stressマップを作成している。それにより、様々な部位、形態、瘤径の真性胸部大動脈瘤の動脈瘤の特徴がわかってきた。動脈瘤破裂予測を臨床に応用する上で、予後の最も良い指標とされる相当応力の最大値(maxVMS)の破裂危険閾値を求める必要があった。そのため過去に経験した症例を解析し、破裂危険閾値を以下のように推定した。 胸部大動脈瘤の切迫破裂例(症候性、あるいは近日中に破裂した症例)8例、待機的手術例12例の有限要素解析を行った。CTおよび3D画像、さらに非線形解析を行った有限要素解析結果による相当応力(von Mises stress分布から、全20症例の瘤径および相当応力の最大値(MaxVMS)を求め、各群の平均値を比較検討した。その結果、大動脈瘤切迫破裂群では瘤径およびMaxVMSが待機手術群と比較して有意に大きくなっていることが分かった。また、切迫破裂群のほとんどが瘤径>60mm、MaxVMS>0.50Mpa(megapascal)に含まれていることから、有限要素解析による破裂危険閾値としてMaxVMS>0.50MPaを推定することとなった。これは大動脈瘤破裂予測診断に非常に有用な結果であると言える。本研究に関しては平成24年10月の胸部外科学会総会にて発表し、さらに平成25年4月のアジア心臓血管外科学会でも同様の結果を発表した。 しかし、解析症例が少なく、解析のlimitationも多いことから、より詳細な破裂予測診断が必要だということも分かった。MaxVMS値は破裂診断予測に有用な指標となるが、それも含めた破裂危険指数RPI(rupture potential index)の推定が必要となる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)