2011 Fiscal Year Annual Research Report
世界初の高血圧性誘発モデルによる大動脈解離の分子病態解明と臨床病態マーカーの開発
Project/Area Number |
22591535
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 明 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30528469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青沼 和隆 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10375488)
今中 恭子 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (00242967)
吉村 耕一 山口大学, 医学系研究科, 准教授 (00322248)
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Keywords | B型大動脈解離 / テネイシンCノックアウトマウス / トランクスクリプトーム解析 |
Research Abstract |
(1)B型大動脈解離における血清TN-C値:平成22年度から筑波大学関連病院参加施設に入院となったB型大動脈解離症例の登録を開始し、発症直後から1週間、1ヶ月、6ヶ月、以後6ヶ月毎に、血清TN-C、hs-CRP、D-ダイマー、FDP、mm-2,9を測定し、CTによる解離評価を実施している。現在のところ、42症例の登録を行い、必要なデータ、サンプル検体収集にあっている。 (2)ヒト解離組織の分子病態:登録された症例のうち、病態進行のため外科的手術の止むなきに至った症例から、本人の了承を得て大動脈組織を採取する。採取された大動脈組織の解離部、解離先進部、非解離部でTN-Cを始めとする遺伝子発現を解析して、さらにマウス実験で同定される解離関連遺伝子群と比較検討する予定であるが、ヒト大動脈組織の検体が得られていない。 (3)マウス解離モデルの分子病態:TN-Cノックアウトマウスの腹部大動脈周囲に高濃度CaCl_2を塗布することで炎症と壁の硬化を誘発すると同時にアンジオテンシンIIを持続投与すると4週間以内に下行大動脈に解離を生ずる。摘出大動脈の病理組織、電顕により、解離に伴う組織学的変化を解析している。摘出大動脈のトランスクリプトーム解析から、解離前後の経過で発現が変化する「解離関連分子群」の同定を行なっている。同時にTN-CノックアウトマウスではTN-C遺伝子座にLacZ(βガラクトシダーゼ遺伝子)が組み込まれていることを利用し、βガラクトシダーゼ染色により、解離発症前後の大動脈において、侵害応答の局在と程度を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
B型大動脈解離症例の登録が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)筑波大学関連病院参加施設に入院となったB型大動脈解離症例の登録を促すようにする。
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