2011 Fiscal Year Annual Research Report
細動波(f波)周波数解析によるガイド下心房細動手術の開発
Project/Area Number |
22591538
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
深原 一晃 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (40343181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 寿男 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (80361963)
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Keywords | 心臓大血管外科学 / 心房細動 / 周波数解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は心房細動症例において心表面マッピングシステムから細動波(f波)周波数解析を行い、その解析結果の集積から、個々の症例で心房切開、電気的隔離線の至適部位を検討し、心房細動の機序に応じた、より合理的なガイド下心房細動手術を構築することである。 一昨年度において、新たに構築した心表面マッピングシステムにより術中マッピングを高位右房、下位右房、右房自由壁、右心耳、右肺静脈側の左房、左肺静脈側の左房、左心耳にて行い、採取した細動波電位を高速フーリエ変換(FFT解析)し、各区間の最大周波数を求め、その平均周波数から興奮周期(FF、速さ)を算出した。心房細動手術症例十数例において電位の採取を行ったこところ、ノイズの少ない安定した電位が採取可能で、そのデータより短時間で手術室にて周波数解析が可能であった。周波数解析の結果では、各部位での周波数にかなりばらつきがあることが判明し、特に心房細動の基礎疾患(僧帽弁疾患、大動脈弁疾患、三尖弁疾患、虚血性心疾患など)、心負荷の程度との関連性が疑われる状況であった。 しかし、心房細動の発生、維持に機序に関しては得られたデータからは不明な部分が多く、今後データを重ねて、部位ごとに採取、解析したその細動波の中で、ターゲット決め電気的隔離、焼灼を行い、その後の周波数の変化を解析し、その治療効果を判定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心房細動症例における周波数解析の結果が予想していたものより、ばらつきが多く、一定の方向性を見出すためには解析する症例数を増やす必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
心房細動症例の周波数解析のデータをさらに蓄積し、想定される機序に応じて、fullメイズ、左房メイズ、右房メイズ、肺静脈隔離術と術式を選択して、その治療効果を判定する。
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