2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22591543
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 亮 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10570319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 耕一 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授(特命) (00322248)
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Keywords | 大動脈解離 |
Research Abstract |
大動脈解離は、突然発症し死に至る、原因不明の疾患である。本研究の目的は、未知である非遺伝性大動脈解離の分子メカニズムをAngiotensin(AT)II-Transforming Growth Factor(TGF)-β系シグナル系に着目し解明することと、解明したメカニズムから大動脈解離の発症予防に関する治療法を考案することである。そのために本年度実施した実験計画は、以下の3点であった。 【計画1:大動脈解離組織の部位別による平滑筋細胞のTGFβシグナル活性の違いの証明】 前年度に引き続き、大動脈瘤解離症例の手術時に、解離病変部を含む胸部大動脈組織を部位別に採取し標本とした。解離が及んでいない中枢側部位に着目してTGF-β活性化指標であるリン酸化型Smad2、ならびに炎症性シグナル分子JNKの活性化型の検出をウエスタンブロット法で定量的に行った。 【計画2:大動脈解離組織の部位別にATII-TGFβシグナルの役割の解明】 大動脈瘤解離症例の手術時に得られた大動脈解離組織を用いて培養実験を行った。培養ヒト大動脈組織において、ATII刺激の介入を行い、培養上清ならびに組織中の炎症関連分子の解析を行った。 【計画3:マウス大動脈解離モデルにおけるATII-TGFβシグナルの解析】 ATII-TGFβシグナル系の解離発症における役割を解明するため、マウスにAng IIを1-2週間持続投与することにより、20-30%が急性大動脈解離を兆症するモデルを確立した。またさらに、このモデルマウスの大動脈組織中で、JNK等の炎症系シグナル分子の活性化を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した3つの研究計画をおおむね予定通り実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね計画書通りに研究を推進する予定である。
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