2010 Fiscal Year Annual Research Report
Scaffoldを用いない自己細胞由来心臓弁の作成
Project/Area Number |
22591546
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
古川 浩二郎 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90264176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 茂樹 佐賀大学, 医学部, 教授 (70243938)
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
中山 功一 佐賀大学, 工学系研究科, 教授 (50420609)
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Keywords | 再生医療 / 組織工学 / 心臓弁 / 細胞治療 |
Research Abstract |
本研究は共同研究の中山らが開発した細胞のみで立体構造体を作成する技術を利用し、自己の細胞のみで構成される心臓弁を作成する研究である。3次元培養法のスフェロイド形成、およびスフェロイド同士が組織学的に融合し立体構造体を作成する細胞の持つ性質を利用する。そのため、スフェロイド形成の可否、最適な細胞の組み合わせ、スフェロイドのサイズ、培養条件の検討を行った。マウス繊維芽細胞、ヒト大動脈由来平滑筋細胞、ヒト血管内皮細胞を培養し、それぞれの培養条件の検討を行った。各種細胞は容易に従来の手法でスフェロイドを形成した。さらに各種細胞種すべて、スフェロイド同士が融合する現象を確認できた。次に平滑筋細胞を大量培養し、5×10^4の細胞からなるスフェロイドを作成すると、直径500μmで内部に壊死がないスフェロイドが作成できた。このスフェロイドを細胞のみで立体構造体を作るシステムにて、単純な(シート状、血管状)形状の立体構造体を作製した。構造体形成後約78時間程度でスフェロイドは完全に融合し、表面平滑な構造体を形成した。さらに長期培養を続け、2週間程度で組織切片を作製すると球状のスフェロイドは細胞の再配列を起こし、立体構造体に適した層を形成していることが確認できた。構造体の強度はバイオリアクターを使わない精地培養でもある程度の弾力を有する構造体を形成した。 以上の結果は細胞のみで移植可能な弁(血管及びその他臓器)などの構造体を作製できる可能性を示唆するものと考えられた。
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