2011 Fiscal Year Annual Research Report
Scaffoldを用いない自己細胞由来心臓弁の作成
Project/Area Number |
22591546
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
古川 浩二郎 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90264176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 茂樹 佐賀大学, 医学部, 教授 (70243938)
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
中山 功一 佐賀大学, 工学系研究科, 教授 (50420609)
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Keywords | 再生医療 / 組織工学 / 心臓弁 / 細胞治療 |
Research Abstract |
本研究は共同研究者の中山らが開発した細胞のみで立体構造体を作成する技術を利用し自己の細胞のみで構成される心臓弁を作成する研究である。3次元培養法のスフェロイド形成、およびスフェロイド同士が組織学的に融合し立体構造体を作成する細胞の持つ性質を利用する。 本年度は、前年度まで我々の組織工学システムは9X9のスフェロイドの配置デザインしかできないシステムであったが、これを大幅に改善し、26X26のスフヱロイドが配置できるシステムにバージョンアップした。このため、より複雑な生体に近い弁、例えば大動脈弁などの半月弁が付着する3尖弁のデザインなどが可能となった。細胞ソースの検討としては、前年度までは血管平滑筋細胞と血管内皮細胞を2:1に混合させた細胞数で30000程度、大きさ500μm程度のスフェロイドを用いて弁や弁尖の構築を行ってきたが、完成した組織の強度が弁としては脆弱であった。組織学的評価ではコラーゲンは豊富に存在するがエラスチンなどの弾性繊維の産生がないことが判明した。このため、我々は繊維芽細胞、血管平滑筋、血管内皮細胞の3種類の細胞の共培養によるスフェロイドを作製した。さらに、その配分を2:1:1とか1:2:1などと変化させることで産生するたんぱくの違いを検討する方針とした。現在は1:1:1でスフェロイドを作製し弁尖を作製、組織学的評価などを行っている。同時に、安価なベリスターポンプを用いて、バイオリアクターを作製し、構造体に力学的刺激を与えながら培養できるシステムも開発している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
弁の複雑な形状を構築するため、システムを26X26でデザインできるシステムのバージョンアップに半年ほど、弁の強度を維持できる細胞ソースの検討に時間がかかり予想よりは遅れているが、最終年度の今年度には移植できる弁の作製を成功させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は(1)引き続き細胞ソースの条件検討。繊維芽細胞との共培養によりどのように細胞間の相互採用が働き、タンパクが産生されるかについてのデータを集め、条件を最適化する。(2)大量培養により、N=3程度の直径1cm程度の三尖弁を作製する。(3)圧負荷などの耐久性のテストを行う。(4)組織学的評価を行う(5)最適化した条件で弁をN=3作製しビーグル犬等に移植する。
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