2012 Fiscal Year Annual Research Report
Scaffoldを用いない自己細胞由来心臓弁の作成
Project/Area Number |
22591546
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
古川 浩二郎 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90264176)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 功一 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50420609)
森田 茂樹 佐賀大学, 医学部, 教授 (70243938)
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
|
Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
|
Keywords | 人工臓器 / 心臓弁 / 組織工学 / 再生医療 / 心臓外科 |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞のみを利用して3次元的な構造を有する心臓弁を作成することにある。本来、心臓弁は細胞が少なく、コラーゲンなどの膠原繊維などが主な構成成分である。 そのため、細胞をもちいて心臓弁の機能を再現するためには、弁の本来の機能である血液の逆流を防ぐ、つまり、血圧に耐えうる組織強度を出す必要がある。線維芽細胞のみでパッチ状の構造体を作成したがハンドリングできる強度が達成できなかった。そのため、単一細胞のみで組織を構築するよりも複数種類の細胞を混ぜて3次元化させることで、細胞間相互作用等を介して、単一細胞では産生しない蛋白産生を目的に、繊維芽細胞、血管平滑筋細胞、血管内皮細胞を用いて、細胞数、混合比率を検討し、ある程度条件が良い細胞混合比率で弁を作成する方針とした。本技術では、スフェロイドを任意の配列で3次元化させて行くため、弁作成のためのスフェロイドを血管組織型スフェロイドとした。我々は、スフェロイドを3次元化するロボットシステム(3Dバイオファブリケーションシステム)を用いて、大きさ1cm四方の3尖弁およびバルサルバ洞を有する、大動脈弁の構造を模倣した構造体の作成に成功した。しかし、本構造体は、形状が複雑すぎて、長期培養中、バルサルバ洞に相当する部分に培養液の循環が起こらず壊死する部分が出てきた。内部を循環させるようなバイオリアクターの開発をすすめ、内部を還流するが、流量が多いと構造が崩れるなどの問題が生じ培養条件の最適化を行っている。 当初の目的である、移植できる弁の作成は達成できなかった。しかし、成果を利用し、今後は、弁組織をダイレクトに作成する系と、心膜様の構造体を作成し、その膜を用いて弁を構築したり、弁形成に利用するシステムの開発に応用できると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|