2010 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性脊髄障害に対するエピジェネティック的治療戦略
Project/Area Number |
22591548
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
齊川 仁子 琉球大学, 医学研究科, 助教 (20404569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣花 学 琉球大学, 医学研究科, 准教授 (20274897)
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Keywords | 虚血性脊髄障害 / 対麻痺 / エピジェネティクス / ヒストン脱アセチル化酵素 / アポトーシス / 脊髄運動神経細胞 |
Research Abstract |
【具体的内容】 マウス大動脈遮断モデルを用いヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(HDAC)による虚血性脊髄障害への効果を検討した。全身麻酔下に大動脈弓部を5分間遮断し脊髄虚血モデルを作成した。このモデルは虚血後24時間では歩行可能であるにもかかわらず48時間目には全てのマウスが対麻痺となる遅発性対麻痺モデルである。HDAC法(HDAC群)は、虚血前および虚血後10分にHDACを腹腔内投与した。非治療群(C群)はDMSOを腹腔内投与とした。その結果、C群では10匹中10匹が48時間後に遅発性対麻痺を発症したが、HDAC群では10匹中4匹で対麻痺を認め、残り6匹は虚血再灌流早期に死亡した。病理組織学的検討では、HDAC群では虚血後48時間目に脊髄前角に空砲を伴う運動神経細胞損傷が認められたが、治療群でも歩行可能マウス脊髄でも、脊髄前角に空砲を伴う運動神経細胞損傷が認められた。さらに、活性型カスパーゼ3に対する免疫染色では、両群で虚血後30時間目から脊髄運動神経細胞が活性型カスパーゼ3陽性となり、アポトーシスの指標であるTUNNEL染色でも陽性であった。 【意義および重要性】 本年度の研究結果では、HDACを腹腔内投与させたが運動機能、病理組織にその予後を改善することは認められなかった。また、活性型カスパーゼ3発現も抑制されていないことから、今回の投与方法ではHDACによる神経細胞アポトーシスを抑制する可能性は少ないと考えられた。また、本研究結果にはHDACの毒性の影響もあると考えられた 今後、HDACの至適投与量およびタイミングについて研究を行う予定である。
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