2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591550
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山岸 正明 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (40182422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八島 正文 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (30256565)
前田 吉宣 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (20438203)
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Keywords | 心臓大血管外科学 / 肺動脈弁 / ポリテトラフルオロエチレン / 右室流出路 |
Research Abstract |
独自に開発したePTFE membrane伸展器を用いて、臨床使用に用いられている0.1mm厚ePTFE membraneを加熱・伸展し、超薄型ePTFE membraneを作成した。この機材はePTFE加工に必要な正確な加熱処理と同時に、ePTFE matrixを360度方向に伸展させるように設計された機材である。 実際にePTFE membraneの伸展工程を行いながら、超薄型ePTFE membraneは0.8mm厚、0.7mm厚、0.6mm厚、0.5mm厚、0.4mm厚の5種類作成し、それぞれにおいて強度試験(引っ張り試験、引き裂き試験、耐水圧試験、ヒートサイクル試験)と、走査電子顕微鏡を用いて各厚さに加工したePTFE membraneのmatrix破壊、劣化の有無を確認した。さらに、右心系循環モデルを用いて流体力学的な弁特性を検討して、どの厚さの超薄型ePTFE membraneが肺動脈弁として理想的な特性を有するかについて検討した。その結果、弁運動が良好で、かつ臨床使用に用いる事の出来る薄型ePTFE membraneは0.5mm厚であることが判明した。 作成した超薄型ePTFE membraneを用いて作成したfan-shaped valveをbulging sinusを作成したePTFE人工血管に縫着し、1弁付きパッチと3弁付き導管を作成した。この1弁付きパッチと3弁付き導管の使用を京都府立医科大学倫理委員会の承認を得て、臨床使用を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超薄型ePTFE membraneを作成でき、実際に臨床使用を行い、評価をする段階まで到達できている。
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Strategy for Future Research Activity |
超薄型ePTFE membraneを用いたfan-shaped肺動脈弁の機能評価を臨床的に行うことが必要である。そのためには多施設共同研究を行い、多くの症例数を重ね、臨床的問題点を検討する必要がある。さらに流体力学的評価を並行して行い、弁機能解析とその結果、弁デザイン改良を行う必要があるかどうかの検討を行う。
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