2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト内胸動脈グラフトの血管れん縮を増強するリスクファクターの解明
Project/Area Number |
22591556
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山本 隆一 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (10094111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 祐 九州保健福祉大学, 薬学部, 助教 (20551295)
蒲生 修治 九州保健福祉大学, 薬学部, 講師 (20273930)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 血管グラフト / 糖尿病 / セロトニン / スパズム / ヒト伏在静脈 / インスリン / ミオシン軽鎖キナーゼ / ミオシン軽鎖脱リン酸化酵素 |
Research Abstract |
心バイパス手術において、糖尿病患者の血管グラフトが術中および術後にスパズムを起こし易く予後を悪化させる可能性が高いとされるが、科学的な証明はなされていない。そこで、特に糖尿病患者の心バイパス手術における手術成績向上のために、糖尿病がグラフトれん縮増大のハイリスク因子であるかどうか解明している。 1.我々は、グラフトとして用いる伏在静脈のセロトニン(5-HT)による血管収縮反応が、糖尿病患者では非糖尿病患者と比較して有意に増強されることを見出した。 2. 糖尿病患者の伏在静脈の5-HTによる血管収縮増強作用:糖尿病(DM)患者の内皮除去伏在静脈は、非糖尿病(NDM)患者に比し、5-HTによる血管収縮作用が有意に増強していることを見出し、そのメカニズムとしてミオシン軽鎖脱リン酸化酵素(MLCP: 収縮血管を弛緩させる役割を担う酵素)が質的及び量的に障害されていることを明らかとした。 3. インスリンと5-HT2A受容体:インスリンには、5-HT2A 受容体を血管平滑筋細胞膜から細胞質に引き込むインターナリゼーション作用を有することをヒト摘出伏在静脈において明らかとした。インスリン作用不全の糖尿病では、このことがれん縮発現増大に関連することを示している。 我々は、糖尿病患者の摘出伏在静脈の5-HTに対する血管反応性と細胞内シグナル伝達機構の変化を非糖尿病患者と比較したこれらの実験によって、冠動脈バイパス手術において糖尿病がグラフトれん縮増大のハイリスク因子であることを証明した。そこで、当初の研究目的が達成できたことから、本年度は、上記の実験結果における詳細な分子メカニズム解明を試みたが、この件については残念ながら十分な成果は得られていない。今後さらに研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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