2011 Fiscal Year Annual Research Report
II型肺胞上皮細胞を用いたドナー拡大に向けて-再生技術による死体肺移植の可能性
Project/Area Number |
22591558
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉田 成利 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (90334200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40281547)
溝渕 輝明 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50569861)
岩田 剛和 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30586681)
千代 雅子 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30375688)
坂入 祐一 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30551949)
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Keywords | 肺移植 / II型肺胞上皮細胞 / 再生医療 / 虚血再潅流傷害 / 死体ドナー肺 |
Research Abstract |
昨年度はBASCs/AT-IIの分離培養技術を確立し、左肺全摘後ラットに分離したBASCs/AT-IIの経気管移入を行い、肺胞への生着を確認した。本年度は外科的切除肺から得られたヒト材料を用いてhAT-II細胞の機能解析およびhAT-II細胞の免疫不全ラットへの移入実験(いずれも倫理審査にて認可済み)を行い、傷害肺モデルの確立を行った。 1.切除肺正常亜区域肺から10^5~10^6オーダーの細胞が分離され、SP-Cによる蛍光染色や電子顕微鏡による特徴からその細胞の多くがhAT-IIであることを確認した。 2.分離培養したhAT-IIの多くは日数と共に減少することと、flow cytometryによりhAT-IIはhAT-I(type I aIveolar epithdial cell)に分化することを確認し、hAT-IIを傷害肺に投与することでhAT-Iに分化して肺胞が再生されうる可能性が示唆された。 3.hAT-IIを左肺全摘した免疫不全ラットのF344/NJcl-mu/muに気管内移入し、術後1ヶ月で犠牲死とする再生モデル肺を作成した。摘出標本からヒト特異抗体を用いた免疫染色およびRT-PCRを行い、ヒト細胞の存在を確認した。またヒトSP-CのRNAが存在する移入細胞の一部が肺胞壁を形成したことを確認した。 4.虚血再潅流傷害(IRI:ischemic reperfusion injury)を肺門部クランプモデルで行った。クランプ時間(温虚血時間)と再灌流から摘出までの時間を調節し、一定条件下での肺傷害を生きたドナーラットで引き起こすができ、死体肺も含めたマージナルなドナー肺モデルとしても再現性が高いと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラットAT-II、ヒトAT-IIにおける細胞レベルの実験は比較的順調に進行している。しかし、目的の一つであった死体肺移植モデルの作成・確立においては、東日本大震災や当大学動物実験施設内の手術機器整理の影響で、遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度末より動物実験施設の手術機器整備を行い、速やかに動物実験が再開できるように準備している。今後は作成したIRIモデルにAT-IIの移入を行い、生着・機能改善をまず評価する。IRI作成モデルから左肺を摘出し死体肺移植モデルを確立し、同種および異種のAT-IIを移入すること行い、ドナー肺の再生の可能性を追求する方針としている。
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[Presentation] Proliferative response induced in the remnant lungtissue following pneumonectomy enables trans-planted type II alveolar epithelial cells to regenerate alveoli2011
Author(s)
Wada H, Yoshida S, Suzuki H, Sakairi Y, Ishibashi H, Tamura H, Iwata T, Mizobuchi T, Moriya H, Hoshino H, Okamoto T, Motohashi S, Komura S, Yokoi S, Yoshino I
Organizer
ATS2011
Place of Presentation
Denver
Year and Date
2011-05-13
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