2010 Fiscal Year Annual Research Report
移植気道のリモデリング機構の解明:上皮間葉移行現象に着目した新たな試み
Project/Area Number |
22591560
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村川 知弘 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50359626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 淳 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90188954)
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Keywords | 移植 / 上皮間葉移行 / 気道リモデリング |
Research Abstract |
上皮間葉移行(Epithelial-mesenchymal transition : EMT)という現象が、臓器機能廃絶の一因となる線維化現象や癌の浸潤過程などで認められている。肺移植においても、長期的な予後を不良にしている線維化を主体としたBronchiolitis obliterans syndrome (BOS)という現象にEMTが関与しているとされる。我々の圏的は、移植気道のremodelingに如何にEMTが関与しているかを明らかにし、当該経路の薬物的修飾によって移植片を機能拒絶よりrescueすることにある。気道remodelingのモデルとしてはマウスの同所性もしくは異所性気管移植がしばしば使用されており、我々は、major histocompatibility complex mismatch pairであるBalb/c→B6のマウスの組み合わせで同所性気管移植をマイクロサージェリー手技にて行い、気道上皮下層の線維化・リモデリングを経時的に観察、再現性を確認した。また、免疫染色を用いて、α-SMA、E-cadherin、ZO-1等の上皮・繊維芽細胞マーカーの発現・分布の経時的変化の観察を開始した。今後、EMTが組織学的に確認可能な時点を明らかにすることが可能と考えており、それが明らかとなればその時点での組織の遺伝子発現解析に着手し、気道が線維化に至るメカニズムが明らかとなれば、当該経路への薬物的修飾によって移植片を拒絶よりrescueすることが可能と考えている。
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Research Products
(13 results)