2010 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ管新生評価系並びにリンパ節転移モデルを用いたリンパ管新生機序解明と治療応用
Project/Area Number |
22591561
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
土岐 善紀 富山大学, 附属病院, 講師 (90303221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名倉 里織 富山大学, 附属病院, 医員 (90401843)
小泉 桂一 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (10334715)
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Keywords | リンパ管新生 / 肺がん / リンパ節転移 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
近年、血管の研究が進み、血管新生抑によるがんの増殖・転移を抑える治療が開発されてきている。しかしながら、リンパ管の研究は血管より遅れをとり、リンパ管新生抑制によるがんの増殖・転移(がんのリンパ行性転移)を抑える治療はまだ開発されていない。本研究の目的は、(1)腫瘍血管新生と比較して詳細が解明されていない腫瘍リンパ管新生に関与する分子機序を、条件的不死化リンパ管内皮細胞を使用したin vitroリンパ管新生評価系によって解明する、(2)siRNAや阻害剤を用いてリンパ管新生の動態を制御する方法の開発する、(3)独自の肺同所性移植リンパ節転移モデルを用いて、リンパ管新生阻害に基づく肺がんの新規分子標的治療戦略を構築することである。今年度は、まず初めに、in vitroリンパ管新生評価系とgene chip解析を用いて、リンパ管新生時に発現する遺伝子を網羅的に検索した結果、eNOSがその候補となった。次に、eNOSを中心としたリンパ管新生関連分子の検索を行った。その結果、eNOSとHSP90の相互作用が、リンパ管新生に関与していることが明らかとなった。さらに、eNOSとHSP90のsiRNAおよびその阻害剤は、抗リンパ管新生作用を有することも確認できた。次年度は、肺同所性移植リンパ節転移モデルを用いて、これら阻害剤がリンパ管新生阻害機序に基づき、肺がんのリンパ節転移抑制剤とし利用の可能性を評価する予定である。
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