2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591563
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
園部 誠 京都大学, 医学研究科, 講師 (00432378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 洋至 京都大学, 医学研究科, 教授 (60252962)
宮原 亮 京都大学, 医学研究科, 講師 (20335285)
毛受 暁史 京都大学, 医学研究科, 助教 (30527081)
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Keywords | 原発性肺癌 / ALK |
Research Abstract |
本研究ではALKに変異(融合遺伝子、過剰発現など)を有する原発性肺癌の臨床病理学的特徴の解析、新規ALK関連遺伝子変異の検索と有効なスクリーニング方法の開発を目的としている。 1) 581手術症例の解析を行い、EML4-ALK融合遺伝子を有する原発性肺癌の臨床病理学的特徴としては、非喫煙者の中分化~低分化腺癌に多く、比較的進行が速いという特徴がみられた。これは他施設での報告と合致しており、既に論文化され、IASLCの肺腺癌研究のState of the Art (J Thorac Oncol 2011 ; 6:244-85)にも引用された。 2) 新規ALK関連遺伝子変異については581手術症例の検索では認められず、従前の報告にあるEML4-ALK融合遺伝子を8例に認めた。 3) 有効なスクリーニング法の開発で、新鮮な標本が必要なRT-PCR法に代わって、ホルマリン固定標本でも適用可能なFISH法を用い、赤色プローブと緑色プローブの配置を考慮することで、判定の容易な方法を開発した。これによりRT-PCR法の適応できないホルマリン標本のみが入手可能な検体で検出が可能となった。また新鮮な標本からのRT-PCR法で検出が困難であった症例でEML4-ALKの融合を同定できた例もあり、有効な方法と判断した。ALK融合遺伝子を有する肺癌に対する分子標的治療薬が現在国内でも臨床試験を行われており、承認された場合に本FISH法がALK融合遺伝子の検索方法の1つとしてRT-PCR法、免疫組織化学法とともに利用可能であり、肺癌の臨床的分子診断に寄与するところは大きいと考える。
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Research Products
(4 results)