2012 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイム細胞分子動態解析法による肺がんの低酸素バイオロジーの解明
Project/Area Number |
22591567
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮田 義浩 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (50397965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 守人 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (70446045)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 肺癌 / FDG-PET / メタボローム |
Research Abstract |
癌細胞はその増殖に伴い低酸素ストレスにさらされるため、転写因子HIF-1を介して、細胞膜にGlut-1 を発現させ、低酸素下でのエネルギー産生可能な解糖系代謝を促す。FDGはGlut-1を介して細胞内に輸送され、PET画像に反映される。本研究は細胞低分子動態解析法を用いて、低酸素や抗癌剤治療などのストレスにより癌細胞内に起こるFDGの蓄積を観察し、低酸素関連因子発現や浸潤増殖能との相関を観察することにより、肺癌の悪性度評価に対するFDG-PETの可能性を明らかにすることを目的とした。 肺腺癌70例、扁平上皮癌24例、計94例を対象とし、免疫組織化学的染色を行い、低酸素環境下に誘導されるHIF-1、Glut-1の発現を定量的に示した。HIF-1、Glut-1発現とSUVmax、脈管浸潤、リンパ節転移、再発率は、腺癌症例にて相関が認められたが、扁平上皮癌では有意な相関は認められなかった。非小細胞肺癌、特に腺癌において低酸素環境下に誘導されるHIF-1、Glut-1発現は腫瘍の増殖能、悪性度の強力な指標となることが示唆された。 また癌細胞内での低酸素、抗癌剤ストレスによる低酸素関連因子の変化を観察するため、5-FU感受性が異なる2種類のヒト癌細胞株を樹立した。これらの癌細胞株に5-FUを曝露したのち、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC-MS/MS)を用いて経時的に細胞内の低分子動態を網羅的に一斉解析し、5-FUの細胞死誘導にプロリン-グルタミン酸代謝が密接に関連していることを見出した。これらの代謝を媒介するPRODH発現量をRT-PCRを用解析したところ、耐性株で優位に低値であり、superoxide産生も減少することを確認した。今後、細胞低分子動態解析法による癌の浸潤増殖のメタボローム解析が進めば、新たな関連因子の発見が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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