2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌における低酸素トレーサーFAZA集積領域の臨床腫瘍生物学的解析
Project/Area Number |
22591574
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
泉 陽太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90245506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野守 裕明 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90146613)
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Keywords | FAZA / 腫瘍低酸素 / PET |
Research Abstract |
本研究では肺癌切除例において、第二世代低酸素トレーサーFAZAの集積部位を切除標本における病理組織所見と対比することにより、その集積部位の腫瘍生物学的意義を問うことを目標とする。この臨床研究に先立ち我々が行った動物実験では慢性低酸素下に培養された癌細胞がnormoxiaで培養された細胞に比べて浸潤能が増大する可能性が示唆された。 本年度は、我々の確立した慢性低酸素モデルを用いた肺癌細胞株の検討を行った。肺癌細胞株はPC9、NCI-H292、NCI-H441を用いた。先ず各細胞株のNOGマウスへの移植可能性を確認した。PC9とNCI-H292は均一な発育速度を示した。NCI-H441やや遅い傾向が見られた。我々は慢性低酸素モデルの癌腫特異性は少ないと想定しており、大腸癌株HCT116と同様の結果を想定している。今後PC9、NCI-H292、NCI-H441を用いて低酸素培養条件の最適化を計る。これにより臨床標本における結果を動物実験にフィードバックすることが可能となり本動物実験モデルの腫瘍生物学的意義を確認することができる。また、臨床検体を用いて測定する免疫染色項目に関する基礎的データを動物実験より取得する。EMTのマーカーや糖代謝に関与するマーカーの有意な変化が見られた。これらのマーカーを臨床検体においても検討し、FAZAおよびFDG集積部位との相関を検討することにより、FAZAの臨床的意義ならびに固形癌における低酸素領域の腫瘍生物学的検討をbench to bedsideに行うことができる。
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