2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591583
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
阪井田 博司 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40273362)
|
Keywords | 血管内治療 / ステント / デバイス / 脳動脈瘤 / 脳動脈狭窄 |
Research Abstract |
電気式離脱型ステントを開発するにあたり、最大の解決点であったPVAによる自己拡張型ステントの接続方法について実験や検討を行った。 1)PVA接続部にストラットを数本に収束し、デリバリーワイヤーにPVAで接続する構造強度を検証したところ、数回の誘導・展開・回収に耐えうる接続強度を維持しながら、自己拡張力に耐えてステントをPVAで接続するには、製造技術の観点から困難な要因が多いことが判明した。 2)収束したストラットを糸で纏めてPVAで接続する方法も実験したが、数回に一回の割合で糸に絡んでステントが完全に拡張しない現象が観察された。そのため患者の血管内で確実にステントを展開する機構として信頼性に欠けるという結論に至った(この点に関しては改善も試みている)。 3)この間に欧米でシングルアームに収束したステントを電気式に離脱するシステム(Solitaire、ev3)が販売された。この方法はステントの近位端が長くなるため今回の研究には含めなかった案であったが、Solitaireの使用実績から十分臨床応用できるものであることが判明したため、接続部を一本に収束してPVAで接続する方法を、ステントデザインの変更を含めて検討中である。 PVA接続による電気式離脱型動脈瘤塞栓用コイルの技術を応用すれば、シングルアームに収束したステントをPVAで接続する方法は、強度的に問題なく作成できると考えられる。少なくとも誘導・展開・回収の一連の操作を数回行うに十分な強度を持たせることは計算上可能である。離脱構造のみならず離脱ポイントの自動検出機能を併せ持たせた電気式離脱型ステントの開発を目標に、今後はシングルアームに収束させたステントが、いかにスムーズに展開し血管壁に密着するか、適切な位置に再留置するために一旦マイクロカテーテルに収納する際にどのような抵抗が発生するか、などに着目してステントデザインを検討していく予定である。
|