2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞に対する間葉系幹細胞移植におけるガングリオシドの神経再生への関与
Project/Area Number |
22591593
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
三上 毅 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30372816)
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Keywords | ガングリオシド / 糖脂質 / 脳梗塞 / もやもや病 / CT / MRI / NMR |
Research Abstract |
計画の一つは、脳梗塞におけるガングリオシドの発現を解析することである。まず、中大脳動脈永久閉塞モデルを作成後、梗塞部位を摘出し、アセトン抽出にてガングリオシドを抽出。カラムクロマトグラフィーを用いて分離後、ガスクロマトグラフィーとHTLCにてガングリオシドを同定することであった。しかしながら、カラムクロマトグラフィーに分離後にHTLCを用いて脳梗塞巣と正常脳との糖脂質の違いを検出したところ、著しい差を持った糖脂質が検出できなかった。そこで、まず神経再生に関与すると考えられる慢性脳虚血性病変において、特徴的な画像所見やホルモンの変化がないかを評価した。慢性脳虚血性病変としては、もやもや病患者のCTとMRI画像を用いた。その結果は、下記の学会で発表し論文にまとめた。これは、虚血脳の診断のみならず特定疾患であるもやもや病の診断において重要な意味をもち、もやもや病診断基準に含むことができる可能性があると考えている。 一方で、虚血脳の生化学的分析はDNAアレイを用いて行った。ここでも脳梗塞巣において著しい変化のあった脂質が認められなかった。そこで、現在は脳梗塞巣のDNRアレイで正常脳よりも5倍以上の変化のみられたものを抽出し神経再生に関与するかを検討している。現在のところガングリオシド生合成に関与するセラミド合成酵素関連物質が有力である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳梗塞で変化が大きいと考えられたガングリオシドや糖脂質は、カラムクロマトグラフィーにて著しい変化を検出できず、他の手段であるDNAアレイで確認作業を行ったため、当初の研究計画よりも若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、慢性脳虚血病変であるもやもや病のNMR診断を検討するとともに、DNAアレイで変化がみられたセラミド合成酵素関連物質が神経再生に関与するかどうかを当初の研究方法に基づいて検討していく予定である。
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