2011 Fiscal Year Annual Research Report
TGFβ1シグナルによる脳小血管病変発症・脳腎連関の分子機構解明
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22591595
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
水野 敏樹 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (30264782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 徹男 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30237292)
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Keywords | TGFβ / 脳小血管病変 / 脳腎連関 / 高血圧モデルラット |
Research Abstract |
【目的】脳小血管病変は高血圧を背景に穿通枝においてヒアリン化を伴う細動脈硬化により引き起こされる.一方脳小血管病変に慢性腎臓病の合併頻度が高いことから脳腎連関が注目されている.我々は22年度片腎摘出と食塩負荷による高血圧モデルラットを作成し,TGFβ1が腎・大動脈で先行して発現が増加し,その後頸動脈・脳でも増加を認めることを見出し,共通してTGFβ1が高血圧による臓器障害に関与していることを見出した.23年度は脳小血管をデキストラン法で抽出し,TGFβ1を定量的に検討し,さらに各臓器のどの部位でTGFβ1が増加しているかを免疫組織学的に検討した.【方法】片腎摘出1週後,deoxycorticosterone(DOCA)と1%食塩水を4週間投与した高血圧モデルラット(DOCA-salt)を作成した.脳組織からデキストラン法で脳小血管を分離し抽出した.また腎臓、胸部大動脈、頸動脈、脳組織を摘出後凍結固定し,各種TGFβ1抗体を用いて各臓器における発現を免疫染色で検討した.【成績】DOCA-saltにおいて脳組織全体でのTGFβは0週0.02±0.005ng/mgから4週0.039±0.011ng/mgと有意に上昇したが、胸部大動脈0週0.31±0.08ng/mgから4週0.90±0.25ng/mgへ有意に上昇していることと比較するとその増加は小さかった.デキストラン法で抽出した脳小血管では0週4.91±0.81ng/mgから4週13.7±5.25ng/mgとTGFβ1量が有意に増加しており,脳組織でのTGFβ1増加は脳小血管由来と推定された.【結論】高血圧モデルラットにおいてTGFβ1は脳内でも特に小血管で増加を認める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各臓器のWestern blot,ELISA法によりTGFβ1の定量的解析は順調に進行している.免疫組織学的手法による解析は抗体による染色性の違いが大きく,実験条件を適宜変更しながら適切な抗体を選択する段階である,
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Strategy for Future Research Activity |
免疫組織学検索を合わせて24年中に本研究をまとめる方針である.
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Research Products
(2 results)