2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591603
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
菅原 卓 秋田大学, 医学部, 講師 (80241660)
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Keywords | 脊髄損傷 / 運動ニューロン / アポトーシス / DNA損傷 / グリシン |
Research Abstract |
1.正常マウス,高・低グリシンマウスの脊髄組織でのグリシン量の測定 遺伝子組み換えマウスのバックグラウンドはC57BL/6であり,マウス組織内でのグリシン量を正常C57BL/6マウス,高・低グリシンマウスの3群で比較した(n=6).マウスの選定は血液より抽出したDNAをテンプレートとし,PCR法で遺伝子組み換え部分を増幅した後,PCR産物を2%アガロースゲルで電気泳動して決定した。 2.脊髄損傷モデルの評価 脊髄損傷モデル 上記3群のマウス(27-30g)をisoflurane2%,酸素30%,笑気70%の吸入麻酔下に腹臥位にして胸腰椎移行部に正中切開をおいた.ついで第13胸椎椎弓を切除し,腰髄膨大部を露出した.腰髄膨大部を血管クリップ(把持力15g,5秒間)で圧迫した.術中はhomeothermic blanketを用いて直腸温を36.5-37.5度に調節した. 脊髄損傷の評価 血管クリップにより脊髄損傷を作成し、1,2,3,5日後にマウスをpentobarbital50mg/kgで腹腔内麻酔し,3.7% formaldehydeを含むPBSで潅流した.24時間同じ溶液で後固定を行った後,厚さ5ミクロンの脊髄矢状断・横断パラフィン切片を作成し,cresyl violet染色とhematoxylin-eosin染色を行った.また,各細胞群の変化を調べるために同様に処理した脊髄組織をvibratomeで厚さ50ミクロンの矢状断・横断切片を作成した,脊髄前角運動ニューロンは脊髄損傷後2-3日で細胞死を起こした。これらの細胞には核クロマチンの凝縮、TUNEL陽性といったアポトーシス特有の所見がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脊髄損傷モデルは概ね確立し、損傷後の運動ニューロン死についてもその特徴が明らかとなってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度はグリシンの役割につき検討する。遺伝子組み換えマウスを用いて細胞外低グリシン、高グリシン濃度での脊髄損傷後運動ニューロン死を観察する。
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Research Products
(4 results)