2012 Fiscal Year Annual Research Report
悪性神経膠腫に対する新規抗EGFR抗体・抗癌剤併用による治療法の開発
Project/Area Number |
22591618
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
永根 基雄 杏林大学, 医学部, 教授 (60327468)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 神経膠腫 / EGFR / モノクローナル抗体 / 分子標的治療薬 / 化学療法 / シグナル伝達阻害 / EGFRvIII / MMR |
Research Abstract |
悪性神経膠腫(glioma)における新規抗EGFRモノクローナル抗体であるnimotuzumab (Nimo)の治療的効果を検証するため、以下の実験を行った。Western blotで、Nimo単独治療により、wtEGFRに比べて優位にEGFRvIIIのC末端チロシンリン酸化が抑制され、AKTリン酸化も低下した。次にNimo、TMZの単独療法でもリン酸化の抑制を認めたが、Nimo/TMZ併用療法ではより強いリン酸化の抑制効果を認めた。マウスの皮下腫瘍では、Nimo単独の腫瘍増殖抑制効果は認められなかったが、Nimo/TMZ併用療法によりU87、LNZ308ともにwtEGFRよりEGFRvIII高発現腫瘍で相乗的抗腫瘍効果が認められた。同様に、マウスの脳内腫瘍では、Nimo単独療法は無効、TMZ単独療法は軽度の効果がみられたが、Nimo/TMZ併用療法はいずれの単独療法に比べ有意な生存期間の延長がEGFRvIII腫瘍で顕著に認められた(p<0.001)。wtEGFR高発現腫瘍でも同様であったが、その効果は軽度であった(p = 0.006)。NimoとTMZの併用療法後のMIB-1 index、 apoptotic index から、TMZ単独療法に比しNimo/TMZ併用療法での腫瘍増殖能の抑制とアポトーシスの誘導効果が亢進した(p<0.05)。Nimo/TMZ併用治療後に再増大したEGFRvIII高発現腫瘍(escaper)では、mismatch repair (MMR)蛋白(MSH6とMLH1)の発現減少が認められた。このescaper由来の再樹立培養細胞は脳腫瘍モデルにてNimo/TMZ併用療法に耐性を示した。NimoはTMZとの併用治療によりgliomaに対する抗腫瘍効果を増強する有効な治療法となることが期待され、MMR機能が感受性規定因子である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)