2010 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマ幹細胞と樹状細胞の融合細胞を用いた活性型グリオーマワクチンの開発
Project/Area Number |
22591621
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
赤崎 安晴 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00256322)
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Keywords | グリオーマ / 樹状細胞 / 癌幹細胞 / サイトカイン / T細胞 / 免疫治療 |
Research Abstract |
検体提供者に対するインフォームドコンセントを徹底したうえで、手術摘出組織および血液を研究用検体として入手した。これまでの研究に基づき、悪性グリオーマ患者の摘出腫瘍組織からグリオーマ幹細胞の誘導を試みた。2~3週間腫瘍組織を培養すると、培養用フラスコ底面に付着する細胞群に交じって、球形を形成する浮遊細胞塊の出現が確認された。この球形細胞塊から、磁気ビーズ細胞分離法を用いてCD133+細胞とCD133-細胞の分離・濃縮を行った。平成22年度の研究において、悪性神経膠腫患者8症例のCD133+グリオーマ幹細胞の濃縮および継代培養に成功した。 血清添加培地やVEGF等の成長因子添加培地を用いて、誘導されたグリオーマ幹細胞の分化誘導を試み、誘導された細胞の形態を観察した。CD133+グリオーマ幹細胞からは、血管内皮細胞への分化を思わせる管腔様形態を形成するような細胞群や、腫瘍細胞への分化を思わせるシート状に増殖する細胞群への分化を認めた。また、血管内皮様細胞や腫瘍様細胞に分化した細胞群をグリオーマ幹細胞用調節培養液で培養すると、再び球形細胞塊を形成し、グリオーマ幹細胞の自己複製能が確認された。 CD133+グリオーマ幹細胞やそこから分化した細胞と樹状細胞との融合細胞を作成し、FACSにより融合効率を解析した。融合効率は、20~50%であった。得られた融合細胞にIL-10-siRNAおよびdouble-stranded RNAを細胞内導入し、定量的PCRとELISAにより、融合細胞のIFNβ・IL-10およびIL-12等の分泌能を解析した。解析の結果、低IL-10分泌性・高IL-12分泌性・高IFNβ分泌性融合細胞の誘導が確認された。
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Research Products
(1 results)