2012 Fiscal Year Annual Research Report
症候性ラトケ嚢胞の増大機序における炎症性サイトカインとアクアポリンの関与
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22591622
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
立花 修 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40211362)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ラトケ嚢胞 / 炎症性サイトカイン / アクアポリン / ホルモン受容体 |
Research Abstract |
【はじめに】症候性ラトケ嚢胞の嚢胞増大機序を解明し、治療法の基盤を確立するため、嚢胞液におけるサイトカインの発現、蛋白濃度の意味につき臨床病理学的および生化学的検討をおこなった。【対象と方法】症候性ラトケ嚢胞28例を対象とした。各種サイトカインおよび蛋白の発現を定量し、病理組織においてはホルモン受容体、AQP1、4、炎症性サイトカインと受容体の発現を免疫組織化学的に検討した。【結果】1. 嚢胞液のプロテオーム解析でIL1b、IL-6、IL-12p40、TNFαを同定し、その後の症例でも高濃度のIL-6、IL-1bを測定した。3.前葉機能低下症は75%にみられ、前葉に炎症細胞浸潤を認めた。嚢胞液のIL-6濃度が、機能不全をきたした症例で有意に高かった(p=0.05)。4.慢性炎症を伴う症例では、TNFαやIL-6がラトケ上皮に発現した。ホルモン受容体ではandrogen receptor(AR)のみが50%の症例でラトケ上皮に過剰発現を認めた。ラトケ上皮にAQP1を発現するものが90%、AQP4を発現するものが40%にみられた。AQP4陽性例の嚢胞液蛋白濃度はAQP4陰性、AQP1陽性例に比較して有意に低濃度であった(p=0.02)。IL6-RおよびTNF-R1はラトケ上皮に陰性であったが、TNF-R2は27%で陽性であった。【考察】ラトケ嚢胞はARの過剰発現により、マクロファージ遊走と炎症の誘発、および上皮増殖に関与すると考えられた。嚢胞蛋白濃度の違いは、ラトケ上皮に発現するAQP4のためと考えられ、嚢胞増大機序にAQPは関与すると推測された。ラトケ上皮が炎症性サイトカインによる損傷を受けないのは、受容体を有しないか、death domainを含まないTNF-R2のためと考えられた。【結語】ARおよびAQPは、症候性ラトケ嚢胞の治療における標的分子となりうると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)