2011 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病に対する皮質脳波フィードバック型脳深部刺激の開発
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22591624
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中野 直樹 近畿大学, 医学部, 講師 (60258027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 天美 近畿大学, 医学部, 教授 (00233776)
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Keywords | 脳深部刺激 / パーキンソン病 / 脳波解析 |
Research Abstract |
平成23年度 パーキンソン病6例に対して、脳深部電極からの刺激による脳波測定を術中に行った。平成22年度では、右側のみを脳波解析していたが、左側の前頭葉皮質も測定した。この左側の解析では、脳深部刺激による優位な変動は認められなかった。このことから、脳深部の刺激は、同側深部刺激から同側の大脳脂質への何らかの変調をおこしていることが判明した。臨床的異議としては、右側の脳深部刺激装置のコントロールにより対側の運動機能の変調をきたすことの意味付けがなされたと考える。つまり同側の脳深部刺激は同側脳に影響を与えるという事象が脳波の解析によりなされた。 同側の刺激により同側前頭葉なかでも前頭前回に時間的周波数解析で、20Hz周波数帯の刺激に同期する影響を観察された。臨床的に適切であろうと考えられる刺激頻度の130-160Hzでは、20Hz周波数帯の同期した波形を多く観察するが、10Hz,50Hzでは、その反応はなかった。このことから、運動機能を適切にプログラムするような(正常化)脳深部刺激の条件は、臨床的な固縮の軽減や振戦の消失を観察してきた従来の方法から、大脳皮質からの脳波解析により見出すことが可能となった。次年度では、現在はオフラインでの解析のため、リアルタイムでの解析を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本データとなる全身麻酔下での脳波解析は順調に進み、これまで得られていなかった新たな知見を呈示できる予定である。予測と異なった点は、刺激最中のノイズ処理に工夫を要する。今後、慢性脳表電極の埋込み例への応用の検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
全身麻酔でない状態の脳表電極記録を推し進める。これまでの症例数(100例)から、より安全に研究が遂行できるように計画する。
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Research Products
(8 results)