2011 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎靭帯骨化症における骨化形成のメカニズムの解明と治療
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22591628
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
川口 善治 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (00262527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 景 国立大学法人富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (50533494)
関 庄二 国立大学法人富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (00432112)
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Keywords | 後縦靭帯骨化症 / 脂肪酸 / 脊髄症 / 骨化形態 / CT |
Research Abstract |
1)multidetector CTを用いて全脊椎におけるOPLLの実態を調査すること、および2)脊椎後縦靭帯骨化(OPLL)における全身の骨化巣の広がりとそれに関連する全身因子、特にミード酸を含む脂肪酸値を検討すること、3)軟骨細胞におけるミード酸の役割を検討することを目的とし、研究を行った。 1)単純X線側面像にて頚椎にOPLLがみられる101名を対象とした。コントロールとしてOPLLを認めない患者100例を年齢、性をマッチさせて選んだ。OPLLの診断はX線とmultidetector CTにて行った。頚椎X線、CTにてOPLLのタイプを分類した。頸椎CT像からは、骨化巣に関する新たなCT分類を作成した。また全脊椎脊柱管内骨化病変(OPLLおよび黄色靭帯骨化)の評価を行うため、CT像を用いて、頚椎、胸椎、腰椎各レベルの骨化病変を検討した。その上で骨化の見られるレベル(椎間数と椎体数)を合算して骨化係数とした。これらの所見を3人の検者で読影し、intra-observer errorとinter observer errorを検討した。その結果、頚椎OPLLが胸椎および腰椎のOPLLを合併する頻度は、ともに約50%であった。胸椎および腰椎OPLLは、頚椎OPLLの連続型、混合型に合併する頻度が高い傾向にあった。検者ごとの一致率については検討中である。 2)全患者およびコントロールより採血を行い、血中の電解質、血糖値、高感度CRP、骨化マーカー、26種類の脂肪酸値の測定から骨化係数と関連する全身因子を検討した。その結果、OPLL患者とコントロールの間でオレイン酸、リノレン酸、ミード酸、ドコサテトラエン酸の値に有意差を認めた。高感度CRP、他の値には差はなかった。これらの値に正確性を記すため、新たにOPLI患者100名とコントロール100名を設定し、同様の検討を再度行っているところである。 3)椎間板細胞におけるミード酸の役割を検討したところ、ミード酸を添加することによって椎間板細胞中の骨形成因子が変化することがわかった。現在この機序を解明しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
OPLL患者とコントロールの評価を再度やり直したため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)患者とコントロールの血液から脂肪酸値を再検する。 (2)軟骨細胞をも用いて脂肪酸添加による骨形成因子の挙動をみる。付帯的に頸椎OPLL患者の骨化巣のCT分類を作成する。
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