2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体内3次元動態解析手法を用いた頚椎後縦靱帯骨化症での動的因子の解明
Project/Area Number |
22591632
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩崎 幹季 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (80252675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅本 一臣 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (40294061)
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Keywords | 頚椎後縦靭帯骨化症 / 動的因子 / 架橋型 / 非架橋型 |
Research Abstract |
頚椎後縦靱帯骨化症(以下、頚椎OPLL)の脊髄症発症の危険因子として、静的因子と動的因子両方の関与が示唆されているが、中でも動的因子が脊髄症出現や骨化巣増大に与える影響については、未だ明らかではない。その一因として、微小な動的因子の定量化が困難であることが挙げられる。今回我々は、これまで発展させてきた独自の生体内3次元関節運動解析法を用いて、連続型頚椎OPLLの椎間動態を正確に定量し、椎間動態、すなわち動的因子を骨化パターンごとに検討し、さらに動的因子が臨床症状に与える影響についても調査を行った。20例の連続型OPLL患者に対してC2-7までの5椎間の合計100椎間の可動域計測を行った。前後屈、回旋位にて動態CTを撮影し、抽出した骨モデルを3次元的に重ね合わせることで、正確な可動域を計測した。その結果、骨化パターンと可動域に関連があることが判明した。連続型骨化巣であっても、骨化巣が架橋されていない非架橋型骨化では、椎間可動域が残存し、逆に架橋型骨化巣では椎間可動域が消失していた。また、椎間可動域が消失している架橋型骨化では、脊髄症の進行がないことが判明した。すなわち、従来の動的因子という概念を、CTの骨化パターンで表現しうる可能性がある。また動態撮影を行わなくとも、中間位のCTで、架橋が確認されればその椎間は脊髄症の責任椎間とは成り難く、手術を回避できる可能性がある。逆に、架橋がなく、骨化が盛り上がる椎間では脊髄症の発症危険因子となり、除圧に加え、固定術も考慮する必要がある。
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