2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591637
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松田 正司 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40173843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 哲哉 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40363337)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 二分脊椎 / ニワトリ / 二足歩行 / 神経回路 / 回路異常 |
Research Abstract |
鶏胚脊髄に微少ナイフで切開を入れ二分脊椎を手術的に作成することに成功した。(1)機能的には二分脊椎を持つヒヨコは障害部位に相当する下肢の共動筋、拮抗筋の不均衡による麻痺を発症した。(2)障害部位の運動ニューロン数には違いが認められないが、インターニューロン数に大きな違いが有ることを示した。(3)2011年に二分脊椎の脊髄におけるIslet-1陽性運動ニューロンの変化を解析し、J Vet Med Sci に発表した。この論文では、正常で起こる脊髄前角運動ニューロンの過剰産生とそれに引き続く神経細胞死が、二分脊椎ではほとんど見られないことを免疫組織化学で証明し、その結果、適正な運動神経と骨格筋の結合が出来ず、正常の神経支配が出来ない可能性が有ることを報告した。(4)同時に2011年に、変成法による感覚神経走行の解析を行った。孵卵3日後に経心臓灌流固定を行い、脊髄を切り出し、オスミウム後固定、樹脂包埋し、ガラスナイフで脊髄の切片を作成、トルイジンブルー染色を行った。本変性法での感覚神経の追跡では、二分脊椎では後索を通過する線維が著しく減少し、後索が正常の後索に比較して有意に小さくなった。さらに、感覚神経線維が同側の後索のみならず、対側の後索や、さらに側索、前索をも上行することが明らかになった。このことは、二分脊椎において障害部位より上方へは感覚神経が上行しにくく、感覚情報が正常に上行できず異常な回路を形成することを示しており、このことが本疾患の歩行異常の原因の一つであると考えられた。(5)さらに、電子顕微鏡による観察により、二分脊椎において脊髄の発達が遅れ、シナプス数が減少し、細胞間隙の減少が遅れることも示した(未発表)。これらの結果から二分脊椎症における神経回路異常は発生初期から起こり、治療も早期に開始しなければならないことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)