2010 Fiscal Year Annual Research Report
自家多血小板血漿を用いた椎間板再生法-臨床応用に向けた安全性の検証-
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22591638
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
三上 靖夫 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80360030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 斉 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (00172883)
池田 巧 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40453120)
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Keywords | 多血小板血漿 / ゼラチンハイドロゲル / 椎間板再生 |
Research Abstract |
〈研究の目的〉本研究の目的は、ヒトと極めて類似した椎間板構造を有するビーグル犬を用いて自家多血小板血漿とゼラチンハイドロゲル粒子を用いた椎間板再生法の効果を検討することである。 〈研究実施計画〉月齢12ヵ月のビーグル犬に対して単純X線像とMR画像で腰椎疾患がないことを確認する。全身麻酔下にL2/3、3/4、4/5椎間板の髄核を部分吸引し椎間板変性モデルを作製する。4週間後にMRT2強調像で、Pfirrmann分類により椎間板の早期変性を確認する。自家血を遠心分離することにより精製したPRPを、ゼラチンハイドロゲル粒子に37℃で1時間含浸させ、L2/3、3/4、4/5椎間板の髄核内に注入する。注入8週後に麻酔薬の過剰投与により安楽死させ、腰椎椎間板複合体を摘出する。PRPの代わりにPBSを含浸させ注入する群、穿刺のみを行った群の合計3群(各群5匹)を作製しPRPとゼラチンハイドロゲル粒子による椎間板再生効果を評価する。 平成22年度には予備実験として健常モデルの椎間板構造の確認、変性モデルおよび評価法を確立した。椎間板に操作を加えないビーグル犬を麻酔薬の過剰投与で安楽死させ椎間板組織を摘出した。HE染色による組織切片では髄核内は軟骨様細胞および豊富な細胞外基質で占められておりヒトと類似した細胞組織構造であることを確認した。またアグリカンに対する免疫組織化学染色では1次抗体および2次抗体の適合性を確認し手法を確立した。続いて上記プロトコールにより変性モデルを作製し、単純X線像とMRIで変性を確認した。部分吸引後4週では単純X線像で椎間板高の減少を認めた。また、MRIのT2強調像では髄核内輝度の低下を認めた。以上により髄核部分吸引による変性を確認し評価手技を確立した。予備実験終了後に上記プロトコールで本実験を開始している。
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