2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋由来多能性幹細胞移植と生体吸収チューブを用いた末梢神経再生
Project/Area Number |
22591643
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
内山 善康 東海大学, 医学部, 講師 (80317784)
|
Keywords | 骨格筋間質幹由来細胞 / 細胞移植 / 末梢神経 / 生体吸収チューブ / シュワン細胞 / 神経周膜細胞 |
Research Abstract |
我々は広範囲末梢神経欠損・損傷治療の自家神経移植法の代替え方法として生体吸収性チューブと細胞移植治療を組み合わせることで、より活発な組織再生と長い末梢神経修復が期待できるのではないかと考えている。そこでまず申請者らが見出した骨格筋間質由来幹細胞(Sk-34,Sk-DN細胞)が神経損傷環境下で末梢神経の再生にいかに貢献したかを、GFP-Tgマウスをドナーとし、ヌードラット坐骨神経損傷部(活発な神経再生因子の環境)に、Sk-34,Sk-DN細胞を直接移植し、移植4週間後のGFP陽性細胞の分化を検討した。さらに移植細胞(Sk-DN細胞のsingle sphereを5日間培養後)の中枢神経系へのprofile(中枢神経系因子;Musashi-1,Nestinの発現)をRT-PCRで検討した。 移植したGFP細胞(Sk-34,Sk-DN細胞)は移植4週間後には活発に組織に生着していた。また同部の凍結切片から損傷部の大部分がGFP陽性組織で満たされていた。また再生したGFP陽性組織はN200で染色される神経線維を取り囲むように存在し、シュワン細胞と考えられた。免疫電顕においてこのGFP細胞は神経周膜細胞とシュワン細胞に活発に分化・誘導していた。さらにSk-DN細胞1つからMusashi-1,Nestinの中枢神経系因子の発現がみられた(single cell PCR)。 今後は、生体吸収性チューブによる架橋にプラスして、活発な神経周皮細胞、Shwann細胞への分化能を持つ骨格筋間質由来幹細胞(Sk-34,Sk-DN細胞)を同時に移植し、末梢神経をより機能的に、広範囲に、さらに早期の再生を促すことができる可能性が示唆される。
|