2012 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋由来多能性幹細胞移植と生体吸収チューブを用いた末梢神経再生
Project/Area Number |
22591643
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
内山 善康 東海大学, 医学部, 准教授 (80317784)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 末梢神経再生 / 幹細胞移植 / 骨格筋間質幹細胞 / 生体チューブ |
Research Abstract |
前年度までの研究成果として、①実際に臨床応用することを想定した「骨格筋由来総合増幅型幹細胞群」の開発を行い、②実際に、「マウス坐骨神経損傷モデル」を用いて分化能力を検討した結果、③これまでの基礎実験同様に期待通りの細胞分化・組織再構築能を発揮することを確認した。さらに、当初の計画していた生体吸収性人工神経(PGA tube)を用いて、完全断裂した神経を架橋する実験を行ったが、小動物では硬度が強すぎる点、及び細かい加工が困難な点から、計画の変更を余儀なくされた。本年度は、PGA tubeに代わる素材を模索する実験として同種マウスの生体管腔組織(マウス気管、食道、腸管、大血管等)を70%エタノールで処理し、架橋チューブとして利用、上記の総合増幅型幹細胞群との移植実験を繰り返し行った。その結果、に食道粘膜下層をのみを用いた実験において、術後僅か4週間で欠損部分に移植細胞由来GFP陽性のシュワン細胞、神経内膜・周膜細胞が軸索再伸展を補助する形で出現し、神経そのものを架橋していた。また、術後8週には、ほぼ95%の軸索が再架橋を果たし、移植細胞はチューブ領域を超えて両断端のレシピエント神経内へ拡散しながら、神経系細胞に分化し、軸索を保護していた。これらの結果は、①神経欠損が10mm以上であること、②非移植群ではほとんど回復が見られないこと、③神経グラフト移植(現時点での臨床におけるゴールドスタンダード)法でも30%前後の回復に止まることを考慮すると、正に画期的な結果と考えられる。さらに、骨格筋細胞への分化(神経内では必要ない)を押さえた培養増幅法も併せて開発することが出来た。これらの成果をもとに現在論文を作成中である。次のステップとして、実際にヒト骨格筋由来多能性幹細胞を抽出し、免疫不全動物へ移植する実験を計画中である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|