2012 Fiscal Year Annual Research Report
ホウ素中性子捕捉療法を用いた明細胞肉腫の治療方法の開発
Project/Area Number |
22591657
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤本 卓也 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 医学研究員 (00397811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 秀喜 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (00248105)
秋末 敏宏 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90379363)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 骨・軟部腫瘍学 / ホウ素中性子捕捉療法 / 明細胞肉腫 / 担がん動物モデル |
Research Abstract |
明細胞肉腫は、若年成人の四肢に好発する稀な悪性腫瘍である。治療は手術による切除が基本であるが予後は悪い。特に、再発や転移を来たした手術不能な症例では、有効な治療方法が無いのが現状である。一方で、近年、悪性黒色腫に対し、ホウ素を放射線増感剤とした熱中性子線捕捉療法(ホウ素中性子捕捉療法)による良好な治療成績が報告されている。これは、悪性黒色腫がメラニンを産生する際にホウ素製剤を取り込むことに起因する。明細胞肉腫も同様に別名、軟部の悪性黒色腫と呼ばれるように多くがメラニンを産生する。この事実は、明細胞肉腫でもホウ素製剤の取り込みを確認できればホウ素中性子捕捉療法(BNCT)による治療効果が期待できることを示唆する。そこで、本研究では、先ず、ヒト由来の明細胞肉腫の細胞株を使用して、その培養細胞にホウ素化合物を作用させその取り込みを評価した。そして、その細胞株をヌードマウスに移植し担がん動物モデルを作成、ホウ素製剤を投与してそのホウ素製剤の腫瘍組織、正常組織への取り込みを評価した。さらに、この担がん動物モデルにホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を施行し腫瘍組織への効果について組織学的に検討した。その結果、ヒト由来の明細胞肉腫の細胞株もホウ素化合物を選択的に高濃度で取り込むことが判明し、担がん動物モデルの腫瘍組織にも、ホウ素化合物が選択的に集積することが明らかとなった。さらに、担がん動物モデルにホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を施行すると、照射後約3週でほぼすべての腫瘍細胞が縮小し、組織検査にて正常組織への障害無く、腫瘍細胞のみが選択的に死滅することが判明した。この様に、本研究では、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を用いた明細胞肉腫の新たな治療方法の可能性について明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Boron neutron capture therapy (BNCT) selectively destroys human clear cell sarcoma in mouse model2013
Author(s)
Fujimoto T, Andoh T, Sudo T, Fujita I, Moritake H, Sugimoto T, Sakuma T, Akisue T, Kawabata S, Kirihata M, Suzuki M, Sakurai Y, Ono K, Fukumori Y, Kurosaka M, Ichikawa H
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Journal Title
Appl Radiat Isot
Volume: 73
Pages: 96-100
URL
Peer Reviewed
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