2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨折治癒におけるリコンビナント線維芽細胞増殖因子とビスホスフォネートの協調効果
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22591661
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
片岡 晶志 大分大学, 医学部, 准教授 (40301379)
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Keywords | リコンビナントヒト線維芽細胞増殖因子-2 / ハイドロゲル / 骨癒合遷延 / ラット大腿骨骨折モデル / 血管新生 |
Research Abstract |
〈研究目的〉骨折治癒遷延に対してリコンビナントヒト線維芽細胞増殖因子-2(rhFGF-2)の徐放性製剤を用いた治療法の開発を目指すために徐放担体としてハイドロゲルを用いてラット大腿骨骨折モデルにおいて検討する。〈研究実施計画〉1.ラット大腿骨骨折モデルにおけるハイドロゲル+rhFGF-2による新生血管の検討 2.手術6週後に、麻酔下に開腹し下大静脈に26ゲージ針を留置後、2500単位のヘパリンを静脈内投与しつぎにIndian Ink 50mlを130mmHgで静脈内に投与する。その後チャンバー大腿骨を摘出し,透明標本を作製する。3.評価は専用ソフトNS2K-Proを用いて、単位面積当たりの黒さを数値化し、各群において統計学的検討を行う。 〈結果〉6週後の大腿骨軟X線撮影結果では骨癒合率コントロール群10%、低容量群73,3%、高容量群76,9%であった。ハイドロゲルを担体としたrhFGF-2の効果は著明に認められた。またIndian Inkによる血管造影検査の結果、ハイドロゲル+rhFGF-2群はコントロール群にくらべ、著明に新生血管に富んでいた。これらをNS2K-Proを用いて、統計解析したところ、コントロール群にくらべ約50%の新生血管の増生が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロCTの配備のため実験が4か月遅れたが、無事取り戻すことができた。骨折治癒遷延に対してリコンビナントヒト線維芽細胞増殖因子-2(rhFGF-2)の徐放性製剤を用いた治療法の開発を目指す。徐放担体としてハイドロゲルを用いてラット大腿骨骨折モデルにおいて検討する。軟X線撮影、病理組織学的検討ならびに力学的検討により治療効果を評価する。これまで実施したpreliminaryな研究では骨癒合率、骨強度試験ともに有意に改善されていた。さらにこれまで行ってきたrhFGF-2とビスホスフォネートとの協調効果についても検討を加え、将来的に臨床応用が目的であり、これまで順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
ハイドロゲルを担体としてrhFGF-2+ビスホスフォネートの協調効果について同様に検討をおこない、ビスホスフォネート投与の効果について検証する必要があるこれまでの実験結果を踏まえたうえで、さらに骨質の改善のためにビスホスフォネートを投与し、ハイドロゲル+rhFGF-2+ビスホスフォネートの協調効果について検討を加える。1.ラット各群15匹に対して同様の手術を行う(2群)。2.術後2週でビスホスフォネートとしてZoledronic acid(0.1mg/kg)を皮下投与し,残りの半数は生理食塩水を皮下投与する(ZA(+)群・C群).3.術後6週で大腿骨を摘出し軟X線撮影、病理組織学的検討、生体力学的試験をおこない、ビスホスフォネートの強調効果について検討する。
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