2011 Fiscal Year Annual Research Report
物理刺激による骨芽細胞の応答メカニズムの解明-メカニカルストレスと微弱電流刺激
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22591667
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
金 郁ちょる 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (50244603)
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 生体分子 / 再生医学 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
近年,重力からの影響をメカニカルストレス(シェアストレス,伸張刺激,静水圧,電流刺激など)と捉えた研究が行われている.メカニカルストレスが細胞環境において,細胞の成熟・分化に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある.しかし電気刺激をメカニカルストレスと考えた研究はない.本研究は,臨床研究で用いている交流電気刺激を、in vitroで用いることができる刺激器具を新たに作成し,メカニカルストレスの解明に用いられている骨代謝研究を応用し,電気刺激による骨成熟促進効果の新しい知見を骨芽細胞を用いて検証することを目的としている.今回,われわれは骨芽細胞株MC3T3-El細胞に対して交流電気刺激を行い,初年度は,その反応をMAPK(mitogen-activated protein kinase)であるERK(Extracellular Signal-regulated Kinase)およびJNK(c-Jun N-terminal kinase)のリン酸化を指標とし,細胞応答を検証したウエスタンブロット法によってERKのリン酸化を測定した.20分間の交流電気刺激により,ERKおよびJNKのリン酸化は無刺激群よりも有意に上昇した.つまり,骨芽細胞は交流電気刺激からの信号を享受しており,その経路としてMAPKの中でERKおよびJNKがリン酸化されることが今回の実験からわかった.当該年度は,細胞増殖について検討を行ったが,交流電気刺激により細胞増殖は生じていない傾向を検出した。 さらに,今後は交流電気刺激によるALP活性および骨基質マーカーの反応について,検討を行う予定である.電気刺激が細胞内シグナルへと変換される応答メカニズムの解明できると,今後の臨床応用において,さらに有用なメカニカルストレスの条件や刺激方法の確立が期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験により,骨芽細胞が交流電気刺激からの信号を享受し,その経路としてMAPKの中でERKおよびJNKがリン酸化されることが判明するなど,一定の実験結果を出しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は交流電気刺激によるALP活性および骨基質マーカーの反応について検討を行い,電気刺激が細胞内シグナルへと変換される応答メカニズムを解明する.
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