2012 Fiscal Year Annual Research Report
物理刺激による骨芽細胞の応答メカニズムの解明―メカニカルストレスと微弱電流刺激
Project/Area Number |
22591667
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
金 郁ちょる 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50244603)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 生体分子 / 再生医学 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
近年,宇宙飛行において無重力空間での骨量減少や,長期臥床患者での骨代謝動態が研究され,細胞レベルでは重力からの影響をメカニカルストレス(シェアストレス,伸張刺激,静水圧,電流刺激など)と捉えた研究が行われている.メカニカルストレスが細胞環境において,細胞の成熟・分化に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある.しかし電気刺激をメカニカルストレスと考えた研究はない.本研究は,メカニカルストレスの解明に用いられている骨代謝研究を応用し,電気刺激による骨成熟促進効果の新しい知見を骨芽細胞を用いて検証することを目的としている.今回,われわれは骨芽細胞株MC3T3-E1細胞に対して交流電気刺激を行い,その反応をMAPK (mitogen-activated protein kinase)であるERK(Extracellular Signal-regulated Kinase),p38,およびJNK(c-Jun N-terminal kinase)のリン酸化を指標とし,細胞応答を検証したウエスタンブロット法によってMAPKのリン酸化を測定した.20分間の交流電気刺激により,ERKおよびp38のリン酸化は無刺激群よりも有意に上昇した.しかし,JNKのリン酸化の上昇はなかった.つまり,骨芽細胞は交流電気刺激からの信号を享受しており,その経路としてMAPKの中でERKおよびp38がリン酸化されることが今回の実験からわかった.このことから交流電気刺激はメカニカルストレスの中でも伸張刺激と同様のMAPKの反応様式であることが判明した.電気刺激が細胞内シグナルへと変換される応答メカニズムの一部が解明され,今後の臨床応用において,さらに有用なメカニカルストレスの条件や刺激方法の確立が期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)