2011 Fiscal Year Annual Research Report
P53-RB経路を標的とした悪性骨軟部腫瘍に対する遺伝子調節化学療法
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22591668
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
辻 吉郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 客員講師 (70453123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 博昭 京都府立医科大学, 医学研究科, 客員講師 (90360031)
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Keywords | 悪性骨腫瘍 / 悪性軟部腫瘍 / 化学療法 / 放射線治療 / P53遺伝子 |
Research Abstract |
スルフォラファンは強力な抗腫瘍効果を有する天然化合物であり、スルフォラファンはマウス骨肉腫細胞LM8に対して、細胞周期をG2/M期で止め、増殖を抑制することを昨年までに解明したが、in vivoの実験では単剤使用では十分な抗腫瘍効果を得ることは困難であった。そこで、抗腫瘍効果を高めるために放射線との併用効果がよいのではないかと考えた。低用量のスルフォラファンと低線量の放射線との併用療法でマウス骨肉腫細胞の増殖抑制効果を認めるか検討した。LM8に対して治療群として対照群、スルフォラファン単独群、放射線単独群、併用群を作製し、スルフォラファン投与後24時間で放射線を照射し、腫瘍効果の差を比較した。その結果、放射線量2Gyの低線量のもとでスルフォラファンの濃度、および時間依存性に細胞増殖数は減少し抗腫瘍効果の増強を認めた。現在この原因を解明するために研究を進めているが、フローサイトメトリーによる細胞周期の点からはG2/M期の細胞の増加に変化を認めた。15μM以上では単剤と比較して顕著に変化を示した。また、併用効果によりSub-G1期の細胞の増加を認めた。特にスルフォラファンの濃度が増強するにつれ単剤投与と、放射線との併用療法との抗腫瘍効果に差を認め、スルフォラファン10μM以上で有意な差を認めた。SubG1期での細胞数の増加を認めていることからアポトーシスの変化を確認中であるが、DAPI染色法を用いての核形態観察ではアポトーシス細胞の増加が生じていると思われ、他の解析方法とともに詳細を確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨肉腫細胞株での結果を示すことはできているが、in vivoへの展開がまだ不十分であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
作用機序の解明のために放射線感受性に関与していると考えられているERK,AKTの変化についても放射線照射の有無で変化を認めるか解析する。これらのin vitroの結果をふまえて実験動物を使用してのin vivoでの効果確認も行う予定である。
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