2010 Fiscal Year Annual Research Report
テネイシンCの軟骨修復促進作用における分子機構の解明とその治療への応用
Project/Area Number |
22591684
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
長谷川 正裕 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (40308664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 啓広 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60196904)
辻井 雅也 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40444442)
吉田 利通 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80166959)
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Keywords | cartilage / tenascin C / proteoglycan / repair / matrix |
Research Abstract |
軟骨損傷に対する新しい治療法に利用する候補分子として、マトリックス細胞タンパクの一つであるテネイシンC(TNC)に着目した。TNCが軟骨修復を促進する分子メカニズムを明らかにするとともに、この分子を用いた軟骨の修復促進や変性を抑制する方法を動物モデルで検討している。 TNCの培養軟骨細胞への作用を調べるために、変形性膝関節症に対して人工膝関節置換術を行うときに得られた関節軟骨を単層培養し、TNCを添加した。TNC濃度は1μg/mlと10μg/mlとした。コントロールとして、TNCを加えないものも作製した。細胞増殖の変化(ELISA・BrdU化学発色キット)を評価し、軟骨基質であるプロテオグリカンの発現と沈着量の変化はリアルタイムPCRとDimethylmethylene blue(DMMB)を用いて定量的に評価した。コントロールとTNC 1μg/ml投与例では軟骨細胞増殖作用、プロテオグリカン合成促進作用は認めなかったが、TNC 10μg/mlでは両者の効果を認めた。 TNCの関節軟骨欠損修復効果を検討するために、マウス膝関節の大腿膝蓋関節面に大きさ0.3mm径で、深さは軟骨下骨を貫く骨軟骨欠損を作製した。TNCを投与した群と投与しない群を作り、術後4~48週で頚椎脱臼法にて屠殺し膝関節部を採取した。現在、脱灰標本を用いた組織標本を作製して、修復軟骨のプロテオグリカンやII型コラーゲンについて、組織学的検討を行っている。
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Research Products
(2 results)