2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591687
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大月 孝志 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (10534802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 圭一郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80284058)
廣畑 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90332791)
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Keywords | 変形性関節症 / ヒアルロン酸 / アグリカナーゼ / 遺伝子 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
変形性関節症(OA)は、整形外科領域では最も頻度の高い骨・関節疾患である。現在、関節破壊の進行例に対し細胞外マトリックス成分であるヒアルロン酸の関節内投与治療が行われている。その作用は、ヒアルロン酸の保水性および弾性保持によると考えられているが、ヒアルロン酸の作用に関して興味深い論文が最近報告された(Am J Sports Med. 2009 ; 37 Suppl 1 : 81S-87S.)。これは、羊OAモデルにOA手術時からヒアルロン酸を経時的に投与すると12週目の時点において、ヒアルロン酸投与群では膝関節の軟骨表層面の破壊抑制が見られた、すなわち関節破壊が起こる早期からのヒアルロン酸投与がOAの進行を抑制した報告である。このほかにもヒアルロン酸が炎症を抑制する方向に働くとする培養細胞での報告がある。今回、我々はヒアルロン酸によるアグリカナーゼ遺伝子の発現抑制メカニズムを解明するとともに変形性関節炎の早期治療薬としての可能性を追求するべく、今年度以下の研究を実施した。 1.ヒアルロン酸の分子量と炎症性サイトカインによるアグリカナーゼ発現抑制効果との関連の検討 分子量の異なるヒアルロン酸を軟骨細胞(OUMS-27)炎症性サイトカイン(IL-lbeta、TNF-alpha)刺激試験系に添加しADAMTS mRNAの発現をreal-time RT-PCR法により定量的に評価した。その結果ヒアルロン酸の分子量が300、800、2700kDaと大きくなるほどADAMTS4、9のmRNA発現量が減少した。特にADAMTS9mRNA発現抑制にはヒアルロン酸の前処理が有効であった。ヒアルロン酸添加濃度の検討では、低濃度ではその抑制効果は確認されず、1mg/ml以上で抑制効果が確認された。 2.ラット変形性関節炎モデルへのヒアルロン酸投与による関節破壊抑制効果の検討 ラット膝関節の前十字靱帯および内側側副靭帯を切除後に内側半月板を除去し、ラット変形性関節炎モデルを作製した。比較として反対側肢には膝蓋靭帯切開までの処置を行うsham手術例を作製した。今年度はまず手術群と非手術群における関節破壊の程度を比較した。
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Research Products
(8 results)