2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨髄由来破骨細胞前駆細胞の同定、及び細胞株の樹立
Project/Area Number |
22591690
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
古川 満 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70468502)
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Keywords | 破骨細胞 / 細胞株 / 骨粗鬆症 / 治療薬 |
Research Abstract |
破骨細胞は骨吸収能を有する生体唯一の細胞であることから、その制御は骨量制御に直結する。破骨細胞分化を解析するにあたっては、初代培養系に加えてマウスではRaw264.7細胞株を用いた解析が広く行われており、マイクロアレイ解析等で成果を上げている。しかしながら、ヒトにおいては有用な細胞株は存在していないことがら、本研究課題では不死化したヒト破骨細胞株を作製することとした。まず昨年度に引き続きパピローマウイルスE6/E7をヒト骨髄由来単球細胞へレンチウイルスで導入することを試みたが、導入効率の低さのためか、あるいは効果的な不死化が起こらなかったためか、不死化細胞株の樹立には至らなかった。そこで、不死化の手法を変更し、マウスで樹立されている細胞株Raw264.7細胞より不死化因子を同定し、ヒト細胞へ導入する方法へ切り替えることとした。Raw264.7細胞はAbelson virusによる白血病細胞株でありvAblの恒常的な活性化により不死化していると考えられる。そこで、Abelson virusのcDNAの取得を試み、全長クローンの同定に成功した。Direct sequence法を用いて遺伝子配列の解析を行ったところ、遺伝子配列には問題がないことが確認された。現在cDNAの両端に制限酵素サイトを付して、レトロウイルスベクターへの挿入を試みているところである。レトロウイルスベクターが完成次第、ヒト由来単球細胞へ遺伝子導入し、不死化ヒト破骨細胞前駆細胞株の樹立を試みたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Abelson virusのcDNAのクローニングに多大なる時間がかかってしまい、またレトロウイルスへのベクター挿入法の確立がなされていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト由来単球細胞へ遺伝子導入し、不死化ヒト破骨細胞前駆細胞株の樹立を確立することで、新規治療薬の開発や破骨細胞分化のメカニズムを解明する。
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