2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591694
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
赤木 將男 近畿大学, 医学部, 教授 (00273441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝田 滋貴 近畿大学, 医学部, 講師 (00330283)
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Keywords | 医療・福祉 / 細胞・組織 / 脂質 / トランスレーショナルリサーチ / 老化 |
Research Abstract |
1)非侵襲強制走行膝OAモデルマウスの確立 膝前十字靭帯切離マウス(9週令CB57/BL6 wild type mice)にトレッドミルにて1回15分、11m/分の速度、1週間に3回、2週間強制的に走行させると.組織学的には著しい変化が認められたが、個体によるばらつきが大きかった.靭帯非切離マウスで同様に走行させると、関節症変化の程度は低いが、安定した変化が生じることが明らかとなった.そこで、マウスには侵襲を加えず、以下の2つの実験を行った.(1)経時的変化観察実験:マウスにで、2、4、6、8週間の走行負荷、(2)走行時間変化実験:短時間走行群(1回7.5分、週3回走行)と長時間走行群(1回30分、週3回走行)を2週間走行させた。膝関飾の変形はX線的および組織学的に評価した。組織学的変化として、半月板骨化、骨棘形成、十字靭帯変性断裂、関節軟骨変性が認められ、これらの変化の出現頻度は継時的に増加した。関節症スコアは継時的変化観察群および走行時間変化群の両群において運動負荷に依存してスコアは増加した。本モデルは遺伝子操作を加えたマウスを使用して行うOAモデルとして適切なものと考えられた. 2)LOX-1 knockout-mouseの膝関節OA耐性の検討 上記のwild type miceに上記の強制走行負荷を加え、膝関節軟骨でのLOX-1発現状況を免疫染色にて検討した.その結果、1回15分、11m/分の速度で1週間に3回、2週間走行させることにより、走行回数に依存してLOX-1発現が上昇することが明らかになった,一方、供与を受けたLOX-1 knockout-mouseの交配、繁殖を行い、実験群マウスの準備を行なった.現在、トレッドミルによる走行負荷(1km/2週間)を加えて、膝関節OA変化がどのように変化するかを検討中である.現在の所、2週間の走行負荷にて顆間部の骨棘形成、十字靭帯変性の抑制が見られている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「おおむね順調に進展している」と考える.なぜならば、安定的に膝OAの作成が可能であり、手術操作を必要としないwild type mice CB57/BL6マウスOAモデルが確立されたためである.関笛症の評価点についても確定した.また、供与を受けたLOX-1 knockout-mouseの交配、繁殖も順調である.既に、knockout-mouseの走行実験、組織評価も開始されている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後wild type mice CB57/BL6マウスにおけるLOX-1遺伝子発現増強、そのリガンドである酸化LDLの軟骨細胞表面への結合状況と、軟骨変性の程度や関節症変化の相関を検討し、酸化LDL・LOX-1系の変形性関節症への関与をvivoにて観察して行く.同時に、LOX-1 knockout-mouseにOA耐性があるかどうかを、強制走行OAモデルマウスを用いて検討する.強い負荷にて長期間の走行を行うとwild typeとknockoutで差がでない可能性があるため、どの程度の運動負荷で最も大きな差となるかの条件設定が重要である。Zymosan投与による実験的関節炎モデルマウス、さらに、LDL受容体欠損マウスなども用いて、酸化LDL・LOX-1系の変形性関節症への関与について研究を継続して行きたいと考えている.
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