2011 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症の関節変性と骨棘形成機構の解明-時間・組織特異的KOマウスによる解析
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22591695
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
中村 英一郎 産業医科大学, 医学部, 講師 (10412644)
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Keywords | 変形性関節症 / Cre-ER(T) / 骨棘 / Hedgehog |
Research Abstract |
本研究の目的は、変形性関節症にみられる関節変性と骨棘形成のメカニズムを解析することである。変形性関節症では関節裂隙の狭小化と骨棘形成は高齢者の退行変性所見としてX線像にてよくみるものである。しかし、その形成メカニズムはほとんど解明されていない。本研究では、成長軟骨部位に発現し、かつ骨棘形成時にも発現がみられるindianhedgehog(Ihh)とIhhのシグナルを伝達する膜蛋白のsmoothened(Smo)の時間特異的、組織特異的なノックアウトマウスを用いて分子生物学的なアプローチによる関節変性と骨棘形成メカニズムの解析を試みている。H22年度は、軟骨特異的にCreが発現するcol.II/Cre-ER(T)マウスとすべての細胞にCreが発現するROSA/Cre-ER(T)マウスを用いてSmoの軟骨特異的コンディショナルノックアウトマウスとSmoの全組織コンディショナルノックアウトマウスを作成した。H23年度は、Wild typeで膝関節メカニカルストレス負荷モデルの作成を試みた。膝関節の前十字靭帯を切離することで関節を不安定化させ、また、ケージ内での日常生活群と餌と水を高所に置くことでストレス無く運動負荷をかける運動負荷群を作り関節の変性の程度を評価した。結果、2ヶ月後には関節面の軟骨変性と骨棘がみられ、4ヶ月後には変性の程度の増強を確認した。特に運動負荷群では変性の程度が強い傾向が見られた。現在、各マウスでの変性の程度が安定化するよう調整中である。また、SmoのcKOマウスを用いた膝関節メカニカルストレス負荷モデルでの関節変性の程度を確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)Smoコンディショナルノックアウトマウスでの関節面への十分なノックアウトを得るための至適なTamoxifen投与の方法、タイミングを確定することが難しい。2)膝関節メカニカルストレス負荷モデルの関節変性程度のばらつきがあり、安定化させる工夫を試みていること。
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Strategy for Future Research Activity |
膝関節メカニカルストレス負荷モデルとSmoのコンディショナルノックアウトマウスはできているので、今後、どのタイミングでのノックアウトが最も効果的であるか検討していく。ただし、成人マウスの関節面で十分なノックアウトが可能であるかまだわかっていない。脊椎動物では関節の変性により骨棘ができるのと同じく、脊椎の椎間板の変性によっても周囲に骨棘ができることがわかっている。関節面へのTamoxifonの到達が十分でなくノックアウトの効果が得られにくい場合、脊椎を用いて骨棘の形成を検討することも考えている。
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