2010 Fiscal Year Annual Research Report
吸入麻酔薬と静脈麻酔薬による免疫細胞アポトーシス誘導機序の解明及びその相違の解析
Project/Area Number |
22591702
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒澤 伸 東北大学, 病院, 准教授 (60272043)
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Keywords | 麻酔科学 |
Research Abstract |
『実験1』Balb/cマウス(5-7週齢、メス)の胸腺を摘出、浮遊胸腺細胞とし、密閉型アクリル樹脂製箱に静置後、揮発性吸入麻酔薬セボフルレンまたはイソフルレンがそれぞれOMAC、1MAC、3MACになるように設定し12時間、これら麻酔薬に曝露したのちにAnnexin Vと7-AADで染色し、Flow cytometry法にてアポトーシス細胞を観察した。また、同様にセボフルレンまたはイソフルレンがそれぞれ3MACになるように設定後、4、8、12時間、これら麻酔薬に曝露してアポトーシス細胞を観察した。『結果1』セボフルレンまたはイソフルレンはin vitroにおいてマウス胸腺細胞に容量依存的、時間依存的にアポトーシスを誘導した。『実験2』『実験1』と同様に浮遊胸腺細胞を得、これに30μMまたは60μMのプロポフォールを添加して4、8、12時間培養し、プロポフォールによる容量依存性、時間依存性アポトーシス誘導を観察した。『結果2』胸腺細胞はプロポフォールにより容量依存性、時間依存性ともにアポトーシスは誘導されなかった。『実験3』『実験1』と同様にイソフルレンを0MAC、1MAC、3MACになるように設定し、4、8、12時間、これら麻酔薬に浮遊胸腺細胞を曝露後、細胞内ATPのルシフェラーゼ蛍光作用を利用してルミネッセンスプレートリーダーを用いてATP量を測定した。『結果3』イソフルレン曝露群は非曝露群に比べ細胞内ATP量が時間依存性に減少した。しかし、イソフルレン1MAC群と3MAC群を比較すると両群間に統計的有意差はなかった。
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