2010 Fiscal Year Annual Research Report
非シナプス型細胞外腔一酸化窒素・ドパミン系神経伝達から解析した麻酔作用機序の解明
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22591706
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
足立 裕史 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (80420355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 重仁 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30143176)
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Keywords | 一酸化窒素 / 麻酔薬 / ビキュキュリン / サクロフェン / マイクロダイアリシス法 / プロポフォール / セボフルラン |
Research Abstract |
ラットの線条体に於いて、in vivoマイクロダイアリシス法による脳内一酸化窒素(NO)代謝産物測定の技術を確立し、0.1pmol 1^<-1>程度の検出感度でNOの変化を高精度で追及できるようになった他、今年度は、特に安定した測定が可能となった。 また、無麻酔自由行動下の実験モデル動物に対して、臨床において一般に用いられるプロポフォール、セボフルランの細胞外NO濃度に及ぼす影響に関する研究を開始し、プロポフォールがNOを減少させる一方、NOドナーであるニトログリセリン、ニトロプスシド投与によるNO放出を、より増加させる作用のある事を発見した。また、全身麻酔の就眠に関する作用機序のキーポイントはGABAA受容体とされてきたが、NOのレギュレーションに関してはGABABも関与している可能性を発見した。 以上の所見は未だ現象論の域を出ないが、本研究に於いて初めて明らかにされた事象であり、麻酔薬の作用機序解明の手掛かりになると考えられる。また、各種の薬剤の脳保護作用、神経毒性作用の解明にも役立つであろう。 成果の一部は常に国際学会で発表しており、既に論文発表の準備をおおよそ終了している。23年度中には最初の成果に引き続いて、新しい知見が国際的学術誌に掲載されると予想する。
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