2012 Fiscal Year Annual Research Report
非シナプス型細胞外腔一酸化窒素・ドパミン系神経伝達から解析した麻酔作用機序の解明
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22591706
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
足立 裕史 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (80420355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 重仁 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30143176)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 麻酔作用機序 / 神経伝達 / 非シナプス性 / 細胞外腔 / 全身麻酔 / マイクロダイアリシス法 |
Research Abstract |
in vivoマイクロダイアリシス法を用い、全身麻酔薬が脳内非シナプス性細胞外腔伝達情報系における一酸化窒素の放出、調整機序に及ぼす影響について、研究を遂行した。 一酸化窒素(NO)は血管内皮由来の平滑筋弛緩作用の他、中枢神経系、あるいは末梢神経系において神経伝達、神経保護などの多彩な作用を担っていることが近年示されており、幾つかの研究は、覚醒時及び麻酔時の鎮痛、鎮静の機序にNOが関与する可能性を報告している。NOはシナプス結合に関わらず速やかに拡散する特性があるため、より広い範囲で緩徐な変化をもたらしていると考えられる。細胞外腔のスペースは特定のシナプス間隙に比較して相対的にはるかに大きな空間を持つため、麻酔薬はこの部位に変化を生じさせ、脳全体にその効果を及ぼして麻酔作用を発揮している可能性がある。 今回の一連の研究は、上記知見を新しい実験系から証明し、全身麻酔薬の作用発現が、単一のシナプス性神経伝達変化、或いは単純な受容体刺激・遮断型の薬理学的変化によるものでは無く、より広範な神経系への作用の結果として生じる機序の存在を示した。 近年、遺伝子学的な実験手法が長足の進歩を遂げており、クローニングによる受容体の機能解析、メッセンジャーRNAの発現を軸としたタンパク合成の研究、細胞内情報伝達系の機能解析が進んでいるが、細胞間の具体的な神経伝達機序の解明に際して、細胞外腔の神経伝達物質濃度測定は欠かす事の出来ない課題であり、本研究の意義は極めて高いものと考えられる。 多くの国際学会へ定期的な発表を行う事によって、学術的な基礎を確立した他、逐次英文論文として報告を行っており、本邦に於ける有意義な研究活動としての実績が蓄積された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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