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2011 Fiscal Year Annual Research Report

幼若脳組織の神経活動に対する麻酔薬の作用の解明

Research Project

Project/Area Number 22591712
Research InstitutionYokohama City University

Principal Investigator

安藤 富男  横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (00193110)

KeywordsGABAA受容体 / 新生児 / 幼若脳 / 麻酔薬 / ミダゾラム / 細胞内Ca濃度
Research Abstract

1)海馬神経細胞Ca濃度
前年度で検討した実験条件を用いて、生後4,7,28日齢のSDラットから海馬を含む脳スライスを作成し、Fura-2によるCa imaging法を行った。GABAA受容体刺激薬を6-7ml/minの高流量で7分間灌流投与し、投与開始1-2分後(早期)および6-7分後(後期)の海馬CA3神経細胞の蛍光比を測定した。GABAA受容体作動薬であるisoguvacine投与は4日齢では早期に有意な蛍光比増加を生じたが、7日齢、28日齢では有意の変化を認めなかった。4日齢の増加はGABAA受容体阻害薬であるbicuculine同時投与によって阻害された。ミダゾラム0.01,0.1,1μM投与では、4日齢における0.1μM投与で後期に有意の増加を認めた。7日齢ではisoguvacineとミダゾラム同時投与で有意の増加を生じたが、28日齢では蛍光比の有意な変化はなかった。ミダゾラム単独またはisoguvacine同時投与による蛍光比増加はbicuculine同時投与および、NKCC1阻害薬であるbumetanide前処置によって阻害された。これらから、4,7日齢ラットではGABAA受容体刺激ほ細胞内Ca濃度増加を生じ、この効果は細胞内C1濃度高値に依存していることが明らかとなった。
2)電気的活動
海馬CA3領域のfield potential測定を行い、自発活動および電気刺激によるpopulation spike測定を行い、実験条件を検討した。
3)行動実験
ミダゾラム腹腔内投与による鎮静作用をrighting reflexにより評価した。28日齢に比べて4,7日齢ラットでは、鎮静作用が明らかに減弱していたが、bumetanide前投与を行うと幼若ラットでのみ鎮静作用が有意に増強した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ミダゾラムが幼若脳の海馬CA3領域神経細胞の細胞内Ca濃度増加を生じること、この作用がNKCC1による細胞内Cl濃度高値に依存しているという仮説はほぼ実証できた。電気的活動に対する効果はまだ検討中だが、幼若ラットに対する鎮静作用について、上記細胞内Ca濃度に対する効果と見合う結果が得られている。

Strategy for Future Research Activity

電気的活動に対する効果の測定は、当初gramicide perforated patch clamp法を用いる計画であったが、幼若脳では技術的に困難であったため、field potential測定による方法を行うよう計画を変更した。自発的活動と刺激による興奮性活動をpopulation spike測定の両面から、ミダゾラムの効果を現在検討中である。
In vivoでのミダゾラムの鎮静作用を評価するため、腹腔内投与によるrighting reflexの変化を測定したところ、4,7日齢ラットでは28日齢に比べて著しく鎮静作用が減弱していることを見出した。Bumetanide前処置後のミダゾラム投与では、幼若ラットでのみ鎮静作用が著しく増強した。したがって、神経細胞内Cl濃度高値は幼若脳でのミダゾラムの鎮静作用を強く阻害することが示された。In vivoでのミダゾラムの興奮作用、抑制作用について、更に詳細に検討する予定である。

URL: 

Published: 2013-06-26  

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