2011 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄虚血後のミクログリア活性化制御による神経保護効果に関する検討
Project/Area Number |
22591715
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60275328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古家 仁 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70183598)
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50295789)
瓦口 佳孝 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90433333)
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Keywords | 脊髄虚血 / ミノサイクリン / ミクログリア |
Research Abstract |
テトラサイクリン系の抗菌薬であるミノサイクリンは、抗炎症作用、抗酸化作用、抗アポトーシス作用などを有し、脳虚血モデルにおいてはその虚血前・虚血後投与による神経保護効果が報告されている。脊髄虚血モデルにおいては、我々はラット脊髄虚血モデルにおいて、ミノサイクリンの虚血前投与が虚血後の神経傷害を軽減することを報告してきた。本年度は、ウサギ脊髄虚血モデルにおけるミノサイクリンの虚血後投与の有効性について検討した。雄性New Zealand White rabbitsを用い後腹膜アプローチにて腎動脈下大動脈を遮断し脊髄虚血を作成した。虚血1時間後から生理食塩水3mlを投与するNS群、ミノサイクリン(10mg/kg)を虚血1時間後から投与するM1群、虚血3時間後から投与するM3群の3群に無作為に8匹ずつ割り当てた。それぞれイソフルラン・フェンタニル麻酔下に15分間の虚血暴露を行い、それぞれの投与開始時間から12時間ごとに60時間後まで静脈内投与を行い72時間後に還流した。別に4匹のシャム群では虚血暴露を行わなかった。虚血48時間後の運動機能をTarlov scoreで評価した。組織障害は、L5横断スライスをHE染色し前角のニューロン数と灰白質の空胞化率で評価した。体重、血行動態、体温、Hb、血糖、血液ガスでは3群で有意差がなかった。運動機能は3群で有意差がなかった。前角ニューロン数はM1群で有意に他の2群より多く残存していた。空胞化率は3群で有意差がなかった。本研究結果よりミノサイクリンは虚血暴露1時間後投与では神経保護作用を示すが、3時間後投与ではその効果が失われることが示された。現在、本研究モデルにおいて、ミクログリアやサイトカインの活性化について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画にそって、おおむね伸展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づいて研究を実施予定である。ミノサイクリンに加えて、臨床で使用されているナロキソンについても検討を加える予定である。
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