2012 Fiscal Year Annual Research Report
TNF-αとスーパーオキサイドからみた、ウリナスタチンによる心筋保護効果の解明
Project/Area Number |
22591724
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小口 健史 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (60201399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 隆 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80209519)
石山 忠彦 山梨大学, 医学部附属病院, 准教授 (90293448)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 心筋虚血 / ウリナスタチン / TNF-α / 心筋保護 / 摘出心臓 / 虚血再灌流 |
Research Abstract |
心臓における虚血―再灌流障害にはTNF-αが関与するとされている。一方、尿中トリプシン阻害薬であるウリナスタチンには抗TNF-α作用があり、肝臓・腎臓・肺における虚血―再灌流障害を軽減するとされている。そこで、本研究においては、ウリナスタチンは心筋における虚血―再灌流障害に対しても保護効果があるとの仮説を立て、その検証と機序を解明することを目的とした。 昨年度までに、心筋虚血再灌流障害に対するウリナスタチンの保護効果について、心機能改善と虚血再灌流不整脈の観点からラット摘出心臓灌流標本を用いて比較検討した。その結果、ウリナスタチン投与により、虚血再灌流時の心収縮能と心拍数は有意に回復し、再灌流不整脈(心室細動・心室頻拍)の持続時間は有意に短くなり、ウリナスタチンの心筋虚血再灌流に対する保護作用を証明できた。 更に、心筋虚血再灌流障害と同様にTNF-αが関与するとされているプロタミンの心筋抑制作用に対する、ウリナスタチンの心筋保護作用についても検討を加えた。その結果、ウリナスタチン投与により、プロタミンによる心機能抑制作用が有意に改善し、TNF-α産生量が有意に低下することが示され、ウリナスタチンの保護作用機序としてTNF-αの関与を証明することができた。 本年度は、心筋虚血再灌流障害に対する、ウリナスタチンの保護作用の機序を解明するために、虚血再灌流時の冠流液のTNF-αの産生量を測定した。その結果、ウリナスタチン投与により、冠流液中のTNF-αの産生量は有意に抑制されなかった。一方、ウリナスタチン投与により、TNF-αそのものによる心抑制作用は有意に抑制された。これらのことから、急性循環不全に対して臨床使用されている薬剤であるウリナスタチンは、心筋虚血に対しても保護作用があるが、TNF-α産生ではなく、TNF-αの作用自体を抑制する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)