2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591727
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴田 政彦 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (50216016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 隆弥 大阪大学, 医学系研究科, 寄付講座助教 (00335358)
松田 陽一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00397754)
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Keywords | 筋痛 / 運動 / 皮膚電気抵抗 / 動的機械刺激 / fMRI / 条件付け |
Research Abstract |
筋の痛みと刺激圧との関係を心理物理学的手法でモデル化し検証を行った。健常成人13名(25.5±4.67歳)。全員に「麻酔なし」と「麻酔あり」条件を実施。デジタル圧痛計で右腓腹筋の内側面を刺激。刺激圧は7段階(10N~40N)で、各々4回反復し1条件につき28回刺激した。一回の刺激は一定圧で20秒間与え、直後に痛みの強さをNRSで報告させた。最大値で標準化したNRSを条件ごとに解析し、刺激圧がx、NRSがyとなるモデル式を求めた。線形モデルで回帰すると麻酔なしy=0.0256x-0.112、麻酔ありy=0.0253x-0.179であり、モデル式同士はほぼ平行関係となった。各式の予測値と実測値との相関係数rは麻酔なし0.889、麻酔あり0.879であった。また、McGill Pain Questionnaireでは「刺すような痛み」のスコアだけ麻酔あり条件で有意に低下した(Wilcoxon test,p<0.05)。皮下麻酔を利用した持続的な筋の痛みと刺激圧との関係は、麻酔なし(皮膚+筋の痛み)条件のそれとほぼ平行に線形回帰できることが示唆された。 運動が痛みの条件刺激となりうるかどうかを検証する目的で、皮膚電気抵抗(SCR)を指標とし、熱刺激による侵害刺激(Pathway Medoc社)に先行させた視覚刺激でSCR反応が出現するかどうかを健康成人2名で検証した。SCR反応は条件刺激のみによって出現するようになることを確認したので今後、随意運動によっても出現するかどうかを検証する。 動的な機会刺激と静的な機会刺激による脳活動の差異をfMRIにて検証した。両刺激とも両側のSII、島に有意な信号変化を認めた。SIIに関しては、両刺激に共通して後部・内側部に活動を認めたが、動的刺激のみ前外側部に活動を認めた。その他、動的刺激時のみ左脳の一次感覚野、補足運動野、前帯状回に有意な活動を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
運動による痛みの再現が困難で、実験条件の設定に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
皮膚電気的活動を指標とした痛みの条件付けの評価法が定まりつつあるので、さらに検証を加え信頼性を確認する。更に痛みの主観的等価刺激強度の測定方法を確立させ、運動によって痛みを学習する実験系を完成させたい。系が完成すれば、健康成人を対象に機能画像を評価し、痛みの条件付けに関与する脳の局在を明らかにしたい。
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Research Products
(1 results)