2012 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドに著効を呈す急性呼吸窮迫症候群を推定可能にするバイオマーカーの探索
Project/Area Number |
22591732
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西江 宏行 岡山大学, 大学病院, 助教 (20379788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森松 博史 岡山大学, 大学病院, 講師 (30379797)
永坂 岳司 岡山大学, 大学病院, 助教 (30452569)
佐藤 哲文 独立行政法人国立がん研究センター, 麻酔・集中治療科, 科長 (40362975)
溝渕 知司 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70311800)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ARDS / ステロイド / TBX21 |
Research Abstract |
ARDS(急性呼吸窮迫症候群)の死亡率は38%から50%と依然として高い。人工呼吸器の適切使用以外の治療法としてステロイド投与が挙げられるが効果については結論がでていない。しかしながら、経験上ステロイド投与により治癒すると思われる症例も存在する。我々は遺伝子を解析し、ステロイドの効果を予測するバイオマーカーの探索を行った。まず、当院ICUに入院し、ステロイド治療を行ったARDS患者の血液等を用いてステロイド感受性に関与すると推測されているTBX21遺伝子のコドン33におけるSNP解析(TBX21c33SNP)を行った。研究初期に解析した症例でQ33Qが発見され、この症例はPF比が48から220へとステロイドにより劇的に改善したためこのSNP解析を中心に研究を行った。遺伝子解析ができた32例のうち、ICU入室前からステロイド投与をされていたのが7例、人工呼吸前からステロイド投与されていた症例もあり、ステロイド投与前後での人工呼吸設定が判明しているのは17例である。32例中、H33Hは25例、H33Qは6例、Q33Qは1例であった。90日死亡はH33H群で25例中16例、H33Q・Q33Q群は7例中2例が死亡した(P=0.094)。PEEPに関しては17例での検討であるが、H33H群で±0cmH2O、H33Q・Q33Q群で-4cmH2O であり、改善の傾向を示した。我々はTBX21c33SNPがARDSに対するステロイド投与の指標となるバイオマーカーになりうると考える。しかし医療技術の発達によりARDSの発症率が減っていること、研究参加依頼が状態が悪化してからになることから十分な症例数とは言えなかった。さらにその機序についても明らかではない。今後は関連病院を含めた多施設での研究にすることで症例を増やして、免疫学の専門家を交えての検討が必要である。この結果は英文誌に執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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