2010 Fiscal Year Annual Research Report
蘇生後症候群におけるRho-kinaseの役割解明
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22591738
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉富 修 長崎大学, 病院, 助教 (30380926)
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Keywords | 心筋虚血再灌流障害 / 心筋スタニング / ボスホジエステラーゼIII阻害薬 / p38MAPK / 好中球エラスターゼ阻害薬 / サイトカイン |
Research Abstract |
1.麻酔したブタを用いて、開胸して心臓を露出し、頚動脈-左冠動脈前下行枝バイパスを作製した。このバイパス回路を遮断・解除することによって左冠動脈前下行枝灌流領域を虚血再灌流させてブタの心筋虚血再灌流モデルを作成した。このモデルを用いて以前ホスホジエステラーゼIII阻害薬であるミルリノンの虚血前投与による心筋スタニングに対する保護作用にはp38 mitogen-activated potein kinase (p38MAPK)の活性化が関与することを報告した。今回このミルリノンの再灌流時投与による心筋保護作用とその機序について検討した。ミルリノンの再灌流時投与により心筋スタニングからの回復が有意に改善され、その効果はp38MAPK阻害薬SB203580の前処置により抑制された。再灌流時投与によるミルリノンの保護作用にもP38MAPKの活性化が関与することが明らかとなった。この成果を米国麻酔学会(2010年10月San Diego)で発表し、Anesthesiology 2010 ; 113 : A095掲載された。 2.同モデルを用いて、選択的好中球エラスターゼ阻害薬であるシベレスタットナトリウムの再灌流時投与による心筋保護作用について検討した。シベレスタットナトリウムの再灌流時投与により心筋スタニングからの回復が有意に改善された。また炎症性サイトカインinterleukin-6の再灌流後濃度上昇を有意に抑制した。シベレスタットナトリウムの保護効果には、好中球エラスターゼ阻害作用によるinterleukin-6の産生抑制が関与することが明らかとなった。この成果は、J.Anesth 2010 ; 24 : 575-81に掲載された。
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Research Products
(2 results)